約 1,200,026 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1081.html
れいむと幸せを呼ぶ金バッジ 23KB 虐待 親子喧嘩 現代 餡子ンペ09出展作品パート2 ※餡子ンペ09出展作品第2弾です。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※テーマは1.親子「 仲直り」です。 家に帰るとゆっくりれいむがいた。 ソフトボールサイズでまだ子供なのだろう。うっかり開けていた裏戸から入ってきたようだ。 俺の姿を見て、逃げようとする子れいむをガシッと鷲づかみにする。 このれいむがやったのであろう、ちゃぶ台の上の花瓶などが目茶苦茶になっていた。 まったくただで済むと思うなよ。このクソ饅頭が。 俺は手でジタバタもがいている子れいむをにらみつけた・・・がそこでおかしなことに気づいた。 ちゃぶ台のうえにあったお茶請けのクッキーが手付かずのままで残っていたからだ。 普通人間の家に不法侵入するようなゲスゆっくりが一番に手をつけるのはあまあま、つまりは甘い菓子類でありそれが食われず残っているのはあまりに不自然である。 「おい、れいむ。」 「ごめんなさい、ごめんなさい。ゆるしてくださぃいいいいい。」 俺に鷲づかみされながら必死に謝るれいむ。怖いのか涙を流しながらガタガタふるえ続けている。 「いやそうじゃない。お前への罰は後だ。それより聞きたいことがある。」 「ゆ?」 「お前なにか目的があってここに来たんじゃないのか?例えば・・・なにかを探しにきたとか?」 「!!・・・」 れいむの目が驚いて点になる。どうやら図星のようだ。 「当たったみたいだな。何を探しにここまできたんだ?」 有無を言わせぬ口調で俺はれいむを尋問する。少しためらった後れいむは口を開いた。 「れいむは・・・れいむは・・・きんばっじさんがほしかったんだよ・・・」 「はあ?金バッジって・・・あの飼いゆっくりが着ける・・・?」 あまりに予想外な答えに今度は俺の目が点になった。 なぜこのようなことになったのか。話は数時間前までさかのぼる。 「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ 作、長月 「おかあさんのうそつき!!きょうはいっしょにあそんでくれるっていってくれたじゃない!!」 「ごめんねおちびちゃん。ごはんさんがなくなっちゃったからかりにいかないといけないんだよ。ゆっくりわかってね。」 「このまえもそうだったじゃない!!そういっていつもあそんでくれないじゃない。」 「おちびちゃん・・・」 「もういいよ!!おかあさんのばか!!」 困惑する母れいむをおいて巣であるダンボールハウスを飛び出す子れいむ。 「ゆう・・・」 心配そうに子れいむの背中を見てため息をつく母れいむ。母れいむとてつらいのだ。 つがいのまりさが死んでしまっている為、家族は胎生にんっしんっで産んだ子れいむひとり。 当然子れいむを食べさせていくには自分が狩りに出なければならなず、その間れいむはひとりぼっち。 れいむが寂しがるのも無理はない。 今日は狩りを休んでれいむと遊んであげる約束だったが、思った以上に餌がとれず、保存していた食料が昨日尽きてしまった。 育ち盛りの子ゆっくりを絶食させるわけにも行かず、今日も狩りに出ることにした母れいむ。 その結果さっきの親子ゲンカとなったのだ。 母れいむはしばらく娘のいったほうを見続けていたが、意を決したように狩りへ出かけた。 愛する子供のために少しでもおいしくて栄養のある食べ物を手に入れなければならない。 そう決意しポイン、ポインと路地裏へ跳ねていった。 一方その頃子れいむは後悔していた。 なんであんなこと言っちゃったんだろう。 お母さんが自分のために苦労していることは誰よりも知っているのに。 お母さんが大好きなのに。 後悔したところでもう出てしまった言葉はもう戻らない。 どうしようか考えていたところに人間らしき足音が近づいてきた。 とっさに電柱に隠れ息を殺すれいむ。人間はお菓子をくれるような愛好家も居るが、同時に虐待を好むような輩も多い。 れいむもまたできるだけ人間に関わってはいけないと母れいむに言われている。賢い野良なら当然のことだ。 現れたのはゆっくりれいむをつれた男だった。 飼いゆっくりの散歩中なのだろう。れいむはリードでつながれ頭にバッジを着けている。 なんてゆっくりしたれいむだろう。思わず隠れていたのを忘れて身を乗り出してしまう子れいむ。 しわひとつなく鮮やかな紅白のリボン。さらさらで艶やかな髪。もちもちとした素肌。 しわしわですすけたリボンにボサボサの髪、薄汚れた体の自分とはまるで違う。 とても同種の、いやそれどころか同じゆっくりだとすら思えないくらいだ。 そのなかでもれいむの目を一番ひきつけたのはリボンに着けていた金色のバッジだった。 おそらく取得したてなのだろう。ピカピカの金バッジが日の光を受けきらびやかに光っている。 れいむは息をするのも忘れて見入ってしまった。 男達が立ち去った後もれいむはしばらく動けなかった。それ程までにインパクトがあったのだ。 無論れいむも今まで飼いゆっくりを見たことがないわけではない。 しかしれいむが見たのはバッジなしや銅バッジの野良同然のゆっくりで、精々銀どまりだった。 セレブの飼う金バッジなど一度も見たことない。 そういえば赤ゆっくりのころよく遊んでくれたありすお姉ちゃんは元飼いゆっくりで金バッジだったって言ってたな。 れいむは思い出す。一人っ子で母親も狩りで不在がちなれいむにいろんなことを教えてくれたゆっくりだ。 上品で優しくて何でも知っている尊敬するゆっくりだった・・・だけど・・・ れいむは一度もありす姉ちゃんがゆっくりしているのを見たことがない。 顔では笑っていても本心からの笑顔は一度もなかったのをれいむは知っていた。 そんなありすお姉ちゃんだけどれいむは一度だけ泣いているのを見たことがある。 何かいやなことがあったのだろう。路地裏で一人、声を出して泣いていたありすお姉ちゃん。 あの時のありすお姉ちゃんの言葉がれいむは忘れられない。 「きんバッジ・・・きんバッジさえあればなまゴミなんてあさらなくてすむのに・・・かちかちのゆかじゃなくてふかふかのくっしょんさんでねれるのに・・・・あんなぎんやどうばっじしかとれないようないなかものたちにバカにされずにすむのに・・・どうして・・・どうして・・・うわぁあああああ!!!」 れいむは何も言えずただそこで立ち尽くすしかなかった。 その日かられいむはありすお姉ちゃんを見ていない。 風の噂によると飼ってくれる人間を探しに町へ行ったが見つからず、そのまま加工所で駆除されたらしい。 あの時はありすおねいちゃんの言葉の意味が解らずにいたれいむだが、今なら解る気がする。 きっと金バッジはゆっくりをゆっくりさせてくれる物なんだ。 だからそれを無くしたありすおねいちゃんはゆっくりできなかったんだ。 そしてあのれいむは金バッジを持っているからあんなにゆっくりできているんだ。 よし。なられいむも。 そう思い道行く人間に片っ端から「金バッジください。」と懇願するれいむ。野良ゆっくりが人間に関わるのは危険だということも忘れてである。 しかし当然そんな要求受け入れられるはずもない。完全に無視か「じゃまだ、どけっ!!」と怒鳴られる始末。 途方にくれ道端で立ち尽くしてしまった。 「そして裏戸の開いていたうちへ侵入して金バッジがないか探してた、ってわけか。」 「ゆう・・・そのとうりだよ。」 「おい、れいむ。人間のうちへ入るのはいけないことで、まして盗みなんてもってのほかだと知っているよな?」 「ご・・ごめんなさい!!」 そう言ってペコペコと頭を下げるれいむ。どうやら自分がしたことが悪いことだというのは知っているらしい。 普通の家に金バッジは転がってないとか、野良が金バッジなんて手に入れてもどうしようもないだろ、とか色々突っ込みたいが今はやめておく。 「そうまでして金バッジを手に入れてゆっくりしたかったのか!?人のものを盗んででもゆっくりしたいなんてゲスの考え方そのものだろうが!!」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」 「大体金バッジは持っていればゆっくりできるものじゃなくて、頑張ってゆっくりできるようになったゆっくりに与えられるものなんだよ!!楽してゆっくりしようなんて性根が腐ってる証拠だ。」 「ゆう・・・でも・・・でも・・・」 「なんだ。なにかいいたい事でもあるのか?」 「れいむは・・・れいむはおかあさんにゆっくりしてほしいよ。」 「えっ?お前自分のために金バッジが欲しかったんじゃなかったのか!?」 思わず聞き返してしまう俺。普通人間のうちに入ってくるようなゆっくりはゲスだと相場が決まっている。家族のことを思いやるどころか土壇場になれば家族を生贄にしてでも自分だけは助けてとぬかすような奴が大半だ。 しかしまさか母親のために人間に捕まるリスクを犯すような奴がいたとは・・・ 始めは事情を聞いたら痛めつけた後、叩き潰すつもりだったが・・・どうする? 俺は迷っていた。 れいむはガチガチと震えていた。 お兄さんはれいむから話を聞くとしばらく何か考えていたようだが、不意に立ち上がり「ちょっと待ってろ。」と言い立ち去ってしまった。 きっとお仕置き道具を取りに行ったに違いない。お母さんが言っていた。人間さんのおうちに入るような悪い子はとっても痛いお仕置きをされた後、永遠にゆっくりさせられちゃうんだって。 人間さんのおうちに入るのがいけないことなのはれいむも良く知っている。 でも・・・それでもお母さんに金バッジをつけて貰いたかった。 もしお兄さんの言うように頑張っているゆっくりに与えれるのならなおさらだ。 この辺りは餌場が少なく捕食種やゲスも多い為ゆっくりにとってけして住みよい場所ではない。 片親で子供を育てるのは並大抵の苦労ではないだろう。事実、母れいむの体は生傷が絶えなかった。 そんな母にいつも助けられていたれいむ。 ゲスまりさにおうちを取られようとしたときも颯爽と現れゲスを退治してくれた。 ゲスまりさに噛み付かれて自分が一番痛いはずなのにそんなのおくびにも出さず、逃げるときにできたれいむの擦り傷をぺーろぺろしてくれた。 遊んでる途中れいぱーありすに囲まれ、もうだめだと思ったときに、れいぱーの天敵であるドMてんこをけしかけるという機転でれいむを救ってくれたもある。 「んほぉおおおおおお!!!れいぱーさんたちぃいいい!!!てんこをめちゃくちゃにおかしてねぇええええ!!」 「ぎゃああああ!!!きもちわるぃいいいいい!!!!」 「ばけものがぁ、ばけものがいるわぁあああああ!!!!」 「こんなのとかいはじゃないぃいいいいいい!!!」 そう叫びながらくもの巣を散らすように逃げるれいぱー。そしてそれを追うれいぱーよりキモイ顔のドMてんこ。 ぽかーんとするれいむにお母さんは「もうだいじょうぶだよ。」と優しく微笑んでくれた。 強くて優しくて賢くて・・・れいむの自慢のお母さん。 そんなお母さんに金バッジ・・・あげたかったな・・・ でももうその望みはかなわない。れいむはここで死んじゃうんだから。 最後に一言伝えたい。 おかあさんひどいこと言ってごめんなさい。 お母さんのこと大好きだったよ、と。 なんで・・・なんであの時お母さんにひどいこと言っちゃったんだろ。 お母さんのこと大好きなのに。 れいむはいつの間にか泣いていた。涙がとめどなくあふれてくる。 その涙は恐怖からではなく後悔の念から湧き出たものだった。 その時ドアが開いた。お兄さんが帰ってきたのである。 れいむはビクッとした。ついにお仕置きが始まるのだ。 そう思ったれいむだった・・・が。 次の瞬間れいむは目を疑った。お兄さんの手に持っていた物にだ。 お兄さんが持っていたもの。それは金バッジだった。今朝見たれいむがつけていたものと同じくキラキラとまばゆく輝いている。 驚きで声も出せないれいむ。 そんなれいむに向かってポイッと無造作に金バッジを投げるお兄さん。金バッジはれいむの前にカシャンと落ちた。 そして開口一番こう言った。 「やるよ。」 あまりのことに思考がフリーズしっぱなしのれいむ。頭の中は?マークで一杯だ。 「どうした?いらないのか?」 そう言い放つお兄さんに全力で首を振る。夢にまで見た金バッジをくれるというのだ。いらないと言うバカなどいるはずも無い。 すぐさま金バッジに駆け寄るれいむ。磨きぬかれた金貨のように輝くバッジに我を忘れうっとりする。 金バッジにすーりすりするとれいむはなんだかとても幸せな気がした。 「おにいさんすごいよ!!なんだかこのバッジとてもゆっくりできるよ。」 「そんなモンで喜ぶな!!満足したんならとっとと帰れ。」 「ゆう・・・でも・・・」 「なんだ?何かまだあるのか?」 「どうしてきんばっじさんをくれるの?れいむかってにおうちにはいったわるいこなのに。」 れいむはそれが解せなかった。おうちに勝手に入って物を盗むのはゆっくりできない悪いこと。 それはゆっくりでも人間さんでも変わらないはずだ。 それをお仕置きなしで開放してくれたうえに金バッジさんまでくれるなんて。 さすがの餡子脳でもおかしいとわかる。 「・・・・似てるからかな。あいつらに。」 数瞬のためらいの後お兄さんは話してくれた。 お兄さんは子供の頃ゆっくりれいむの親子を飼っていたこと。 内気で友達も少なく両親も不在がちだったお兄さんにとってれいむ親子は家族であり親友であったこと。 ある日親れいむが金バッジの試験を受けたいと言ってきたこと。 「金バッジになれば俺をもっとゆっくりさせられると思ったんだろうな。俺はそんなもの要らなかったのに・・」 話してる途中お兄さんはそういって苦笑いをした。 かくして猛勉強の末親れいむは見事金バッジ試験に合格した。 親れいむ以上に喜んだのは子れいむだった。もともと親思いのいい子ゆっくりだった。試験に合格したのが自分のようにうれしかったのだろう。 しかしあまりにはしゃぎすぎた。はしゃぎすぎて散歩中子れいむは車道に飛び出てしまう。 子れいむに気づかずせまる車。子供を助けようとする親れいむ。しかし間に合わず結局二匹とも・・・・ 「・・・しんじゃったの?」 「ああ。結局俺の手元に残ったのは一度もつけることのなかったその金バッジだけだった。」 「ゆう・・・・でもだとしたらそんなだいじなものれいむもらっていいの?」 その話が本当だとしたらこの金バッジはそのれいむ親子の形見同然。お兄さんにとっても大切なものなはず。 「ああ、かまわないさ。どうせ俺には必要ないものだ。それに・・・」 「それに?」 「案外このバッジはお前みたいなゆっくりにふさわしい物なのかもな。」 そう言うとお兄さんは照れたように顔を背けてしまった。 「ありがとう。おにいさん。おにいさん・・・とってもいいひとだね。」 「よせよバカ野郎。もう必要のないガラクタだからくれてやっただけだ。」 その後れいむはお兄さんに何度もお礼を言い家路に着いた。 家に帰ったれいむは母れいむをびっくりさせた。 飼いゆっくりでもエリートしかつけることの許されない金バッジを野良の娘が持ってきたのだから当たり前である。 当然事情を聞かれ、危ないことをするなとこっぴどく叱られるれいむ。 しかしそれもれいむにとっては心地よかった。二度と会えないと思っていたお母さんの声だから。 ひとしきり叱られた後れいむはこの金バッジをもらって欲しいと切り出した。 最初母れいむは固辞したが、れいむがどうしてもと言うので結局バッジは母れいむがつけることになった。 母れいむの頭でさんさんと誇らしげに輝く金バッジ。 良かった。大好きなお母さんに金バッジをあげられて。 れいむはその母の雄姿をいつまでも見ていた。 夕焼けに染まる町にたたずむれいむ親子。れいむたちの影を夕日が長く伸ばしている。 「おかあさんごめんなさい・・・」 おずおずと母へ謝るれいむ。思えばまだれいむは今朝のことを謝罪していなかった。 「ゆっ?なにが?」 「あさにれいむおかあさんにひどいこといっちゃったよ・・・おかあさん、れいむのためにいつもがんばってくれてるのに・・・」 「いいんだよ。ぜんぜんおかあさんおこってないよ。おかあさんこそやくそくまもれなくてごめんね。そのかわりね・・・」 「ゆっ?」 「きょうはたくさんごはんさんがとれたんだよ。だからあすはやまさんにぴくにっくにいこうとおもうんだけど。」 「ゆっ!!ほんと!?」 思わぬ幸運にもみあげをピコピコさせて喜ぶれいむ。 きっとこの金バッジがこの幸せを呼んでくれたに違いない。この金バッジは幸せを呼ぶ金バッジなのだ。 本気でそう思うれいむ。実際はただの偶然なのだが。 木枯らしがれいむ親子に吹き付ける もうすぐ冬が来る。野良にとっても冬はつらい季節だ。 でも大丈夫だろう。れいむには自慢のお母さんとこの金バッジがあるのだから。 明日もいい日でありますように。そうれいむは金バッジに願う。 母れいむの金バッジが夕日を反射し宝石のようにきらめいていた。 その日れいむはなかなか寝付けなかった。 横でねている母を見る。その頭には金バッジがダンボールハウスの隙間からもれる月の光で輝いている。 金バッジには金色の地金に何か文字が書いてある。最初れいむは模様かと思っていたが母れいむにこれは文字さんといって何かを伝える為に人間さんが作ったものだと教えられた。 なんて書いてあるんだろう?母れいむも生粋の野良である為何と書いてあるかまでは解らなかった。 まあいいや。きっとゆっくりできる事が書いてあるに違いない。だってこれは幸せを呼ぶ金バッジなのだから。 そう思いうっとりしていたれいむだったが不意に入り口のほうからガタゴトと音が聞こえた。 こんな時間に誰だろう。不審に思い様子を見に行くれいむ。そこいたのは・・・ 「ぎゃああああああああ!!れみりゃだぁあ!!!!」 「うー。やっぱりここにあまあまがいたどー。」 そこにいたのはれみりゃだった。入り口のバリケードを破壊して今にも入ってきそうである。 「ゆっ!?れみりゃ!!」 物音を聞きつけ飛び起きる母れいむ。そして次の瞬間バリケードが破壊され、れみりゃが巣に入ってきた。 「うーあまあま・・だどっ!?」 ダンボールハウスの外まで吹っ飛ばされるれみりゃ。一瞬の隙を突いた母れいむの体当たり攻撃が見事ヒットしたのだ。 「さあおちびちゃん。ゆっくりしないでついてきてね!!」 急いで逃げ出すれいむ親子。命がけの追跡劇の始まりである。 子ゆっくりを連れ捕食種相手のあまりに不利な鬼ごっこ。しかし勝算がある。母れいむはこの町の地理を知り尽くしておりどこへ逃げれば逃げ切れるか知っているのだ。 れいむ親子は雑木林に入った。ここなら確実にれみりゃは自分達を見失うはずだ。はずだったが。 「うー。あまあま・・・みつけた・・・。」 「うー、まま、こっちのちいさいのもつかまえた。」 ガシッと鷲づかみされるれいむ親子。胴つきふらん親子に捕まったのだ。 「あまあまみつけ・・・げっ、ふらんがいるどー」 更にまいたはずのれみりゃまでなぜかこっちに来ている。 なぜ?なぜだ?これじゃまるでこちらの位置がわかるみたいじゃないか。 そもそもなぜれみりゃはれいむたちのおうちを見つけられたのか。カモフラージュして今まで一度もばれたことがないのに。 わからない。わからない。 絶望感と困惑で母れいむは視界がグニャリと歪むのを感じた。 その時雑木林がガサガサ揺れる音がした。 誰か来たのだ。ふらん達はきっと身構える。 「おーい。ちょっと待ってくれないか。」 現れたのは一人の男だった。なぜかビデオカメラを手に持っている。 男の顔を見てぱあっとれいむの顔が輝いた。昼間れいむに金バッジをくれたお兄さんだったからだ。 「おにいさぁああああああん!!れいむたちをたすけてぇ!!」 もう大丈夫だ。あの優しいお兄さんが助けてくれる。そう思いれいむは安堵した。 事実、人間の強さを知っているふらん親子はすでに逃げ腰であり、れみりゃに至っては胴つきふらんや人間相手では適わない一目散に逃げている。 「あー、いーいーそのままで。俺は別にお前らの狩りの邪魔をするつもりはない。ただそいつらと5分ほど話をさせてくれ。そしたらそのれいむたち煮るなり焼くなり好きにしていいから。」 エッ!?ナニヲイッテルノ、オニイサン? 予想外の一言にきょとんとするれいむ。 対してふらん達は相手に敵意がないことを感じると大人しくその場でれいむ達を持ったまま待機した。 「お、おにいさんれいむだよ!!きんばっじさんをもらったれいむだよ!!おねがいだからたすけてぇええええ!!!」 必死に懇願するれいむ。子ふらんに捕まったままジタバタともがいている。 「ああ知ってるよ。お前が帰る途中ずっと後をつけていたからな。それからずっと捕食種たちが襲ってくるまでずっと刑事ドラマよろしく巣の近くで張り込んでたんだぞ。もう冬も近いのに大変だったぜ。」 ナニヲ、ナニヲイッテルノ、オニイサン? お兄さんの話を聞きながられいむはがくがく震えていた。寒いからではない。なんだかすごく悪い予感がするからだ。 「なんで捕食種が襲ってくるのが解るかって?簡単さ。そこの母クソ袋がしてるバッジにれみりゃやふらんしか解らない匂いがする香料をたっぷり塗りつけておいたからさ。れみりゃ達が好むゆっくりの匂いがする香料をな。 こいつは強力だから半径50メートル以内のれみりゃ達が匂いにつられて群がってくる。後はれみりゃ達が行動する夜になればバッジをつけたお前らが襲われるって寸法さ。」 「どうして!?どうしてそんなことしたのぉおおおおお!!おにいさんはいいひとだったでしょおおおおお!!!?」 絶叫するれいむをお兄さんはニヤニヤしながらカメラで取り続ける。裏動画サイト「ニヤニヤ動画」に動画をアップするためだ。 「バァァァァァァァァカ!!そんなはずないだろ。おれは虐待おにいさんなんだだ。お前らクソ饅頭どもに絶望、苦悩、苦痛、そして無惨で無意味な死を与える為に存在してるんだよ。」 「じゃああのむかしかっていたれいむたちのおはなしは・・・」 「そうさ、全部作り話だよ。俺はガキの頃からゆっくりを虐待以外したことがねえ。その金バッジも普通のバッジに金の折り紙はっつけてマジックで適当な言葉を書き込んだだけだ。 にもかかわらずころっと騙されやがって。一度吹き出して笑いそうになっちまったぜ。」 「そんな・・・どうして・・・」 もはや消え入りそうな声のれいむ。虐待おにいさんはそんなれいむを見て悪魔のようにニヤリと笑う。 「どうしてだと?お前が盗人の真似をするからだろーが。なに被害者面してんだよ。 それともなにか。お母さんのためっていう大義名分のためなら人のうちへ勝手に入ろうが、盗みをしようが、人殺そうがしょうがないってか。 だったら家族のために畑あらしをするゲスは無罪か!?群れの為にドススパークで脅迫して食料を強奪するドゲスに罪はないのか!? 俺はてめぇみたいな善良ぶったゲスゆっくりが大嫌いなんだよ!!」 「せめておかあさんだけでもたすけて・・・」 「ダメェエエエエエエエ!!!断固拒否ッ!!!ゲスを育てた親も連帯責任とするッ!!!そもそもクソ饅頭ごときが幸せだのゆっくりだの欲しいと思ってるのが間違いなんだよっ!!! いいですか、お前らには絶望しかありまシェーーーーン!!!死んだ魚のような目で生ゴミをむさぼり、加工所や他の動物におびえ続けながら、仲間同士でも罵倒し、騙しあい、奪い合い、傷つけあう。 夏は暑さで干からびて死に、冬は飢えて凍えて死に、春も秋もなんとなく無惨に死んでいく。 それがゆっくりなんだよ!!そこに希望も幸せも、もちろんゆっくりも一切ないッ!!!!」 「ゆう・・・そんな・・・」 「ははっいいぞ、その表情。その絶望に満ちた顔。全くあの場で潰さなくてホンと良かった!!」 「ゆゆっ、おちびちゃんをいじめないでねっ!!れいむおこるよっ!!」 子供が罵倒されるのに我慢できなくなったのか母れいむが口を出してきた。 もっともふらんに捕まっているこの状態ではぷくーっぐらいしかできなかったが。 「はっはっはっ。いい母親をもったなれいむ。これからお前のせいで死んじゃうのにまだお前の味方をしてくれるなんて。まあ精々ふらんに中身吸いつくされて死ぬまで仲良くやってくれ。俺はもう帰るから。それじゃあそのお似合いの金バッジと一緒にゆっくり死んでってね!!!」 虐待おにいさんはそう言い残すと意気揚々と立ち去っていった。 ふらん達に囚われたれいむ親子を置き去りにして。 結局れいむたちはふらん親子によって巣まで連れて行かれた。 れいむたちはいまふらん達の巣の中にいる。ふらんたちの冬の間の食料。それが今のれいむ達だ。 捕食種の食生活には2パターンある。ゆっくりが主食であり草や虫はあまり食べないタイプと草や虫を普段食べてゆっくりは冬などの非常食にしておくタイプ。れいむ達のつかまったふらんは後者に近い。 ただ違うのはこのふらん一家はかなり知能が高く捕まえたゆっくりを非常食でなく家畜として見ている点だろう。 一回で全て餡子をすすろうとせず、ある程度吸った後、枯葉や木の皮などを与え生かし続ける。 こうすれば半永久的に食料に困らないというわけだ。もっとも食料にされるゆっくりにはたまったものではないが。 ドガ、バキッ、グシャッ!!! 「うーしねしね。」 「やべっ、やべて、やべてね。」 母れいむはあんよを齧られ動けなくされた後、親ふらんのサンドバッグになった。こうして痛めつけることより餡子が甘く美味しくなるのだ。 「やめてぇええええ!!!おかあさんをいじめないでぇええええええ!!!」 母と同じくあんよを齧られ動けなくされているれいむには泣き叫ぶことしかできない。 自分のせいで・・・自分が金バッジなんかあげたせいでお母さんがあんなめに・・・・ ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい。 れいむは心のなかであやまり続けた。 今日は初雪が降った。巣の中からでも白い雪が舞い降りるのが見て取れる。 でも自分には関係がない。どうせここからは出られないのだし、自分はここで死ぬのだから。 れいむは母を見る。 強くて優しくて賢くて自分の自慢のお母さん・・・だったものを。 毎日のようにふらん親子に殴られ続けた結果、歯はほとんどへし折られ目玉も飛び出し、顔もアザだらけ。 中枢餡にも深刻な損傷があるらしく精神的にも完全に壊れてしまった。 れいむの言葉にも反応せず、ときおり訳のわからない奇声を上げながらうんうんやしーしーを撒き散らす狂ゆっくり。 そんなものに母はなってしまったのだ。 れいむは早く死にたかった。死だけが救いなのだ。 そんなれいむの光なき目が金バッジをとらえる。子ふらんはえらく金バッジが気に入ったようで、母れいむからむしりとったバッジは子ふらんの宝物として巣の中に大切に飾られている。 その金バッジには一言こう書かれていた。 「バーカ」 あとがき いつもご愛読ありがとうございます。長月です。 餡子ンペ09出展第2弾である本作は、虐待と見せかけた愛でだった第1弾「ゆっくりを愛でてみた」とは対照的に、愛でに見せかけた虐待をコンセプトにしています。 ご意見、ご感想等コメント欄に書いてくれると励みになります。 追伸 何気にてんこが5連続出演。もうてんこが止まらない。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 ふたば系ゆっくりいじめ 441 てんこがゆっくりするSSさん ふたば系ゆっくりいじめ 457 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ ふたば系ゆっくりいじめ 476 ゆっくりを愛でてみた 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る なんかお兄さんに良い印象持たない奴がいるけど、 お兄さんの家に物盗みに行った事は事実なのに 悲劇のヒロインぶってお兄さんに制裁されても まだ自分や自分の親の保身の事考えてるんだから、 善良なんかじゃなくて、むしろ普通のゲスと違って 一見良いことをしているように見えるから特に質の悪いゲスだよ。 しかも、最後のふらんに捕まってからの描写を見るに まだ金バッジあげたからとか見当違いな事言ってる。 自分が何をしたかを最後まで 理解してないどうしようもないゲスだ -- 2016-01-25 04 15 08 ニヤニヤ(^ ω ^) -- 2016-01-22 23 50 19 ↓ごめん、「この」が一つ多かった -- 2015-10-10 21 40 30 まぁこのこのれいむは善良の仮面をかぶったゲスってことだな。おにーさんマジ正論 -- 2015-10-10 21 39 49 「バーガ」ww -- 2015-07-05 15 06 23 消防乙↓ -- 2014-06-15 18 18 47 管理人死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね消えろランランルーバイバーイあとこんなコメ書いてる奴も、死ね死ね死ね死ね死ね(^ω^) -- 2013-06-21 20 59 41 あげておとすのはやめてね!ゆっくりできないよ!! -- 2012-10-03 05 45 44 感動もののいい話かと思ったら虐待もののいい話だった -- 2012-09-18 02 35 11 自分は愛で寄りだけど、この鬼威山は間違ってないと思う。 人間の領域を侵して物を奪おうとした時点で間違いなく悪だし、ましてやこの子れいむの場合は完全に自分の都合で、生死がかかった切羽詰まった状況で仕方なく…っていう訳でもないし。 逆にこの鬼威山がいい人でれいむ親子はしあわせーに暮らしました、なんてことになってたら、人間の家を荒らすゆっくりが増えるだろうな。 -- 2012-07-05 09 10 05 うーむこの虐待鬼威山は人間として好きになれん -- 2012-06-25 11 52 29 ダメェエエエエエエエ!!!とありまシェーーーーン!!!で思わずむせた -- 2012-03-15 00 14 19 一種のパフォーマンスですな。 -- 2011-05-07 19 13 06 なんとなく無残に死んでゆくそれがゆっくり 名言だと思った。 -- 2011-01-27 02 10 33 ヒャッホオオオォォォー!!鬼威惨の絶対的な演技と策によってゴミカス饅頭親子死亡確定!!!ッシャアアアァァァッ!!!ハッピーエンドオオオオォォォォォ!!! -- 2011-01-26 01 57 48 ゆ虐好きだけど、リアルなゲス人間が出てくるのは結構引く~ 人間の暗黒面だか韓国面だかの具現としてゲスゆっくりを制裁するのが一番ときめくな 虐待おにいさんは能天気なテンプレタイプのが好き。 -- 2010-12-12 14 23 29 とても面白かったです! 途中までは子れいむを愛でるんじゃないかとハラハラしましたが その反動で虐待鬼威山が正体を現した時はスカッとしました! 欲を言えば子れいむのサンドバックも見たかったですねw -- 2010-11-27 18 57 37 >善良ゆっくり消したらゲスゆっくりが増えるじゃん・・・ え、人様の家に侵入して荒らすゴミ饅頭が善良…? 日本語が読めないか、頭が終わってるのかどっちだろう -- 2010-09-24 08 56 48 ゆっくりはかわいい。ゆっくりを愛してる。通常だとか希少だとか関係ない。ゆっくりはかわいい。 そんな愛らしいゆっくりが理不尽に痛めつけられ殺される様に酷く興奮する。つまりドS。 -- 2010-08-21 21 27 27 どっちが屑でもゲスでもいいの!ゆっくり共が絶望にまみれて死にくされば!!ざまぁゆっくり!お前らにはそんな死に様がお似合いだ! -- 2010-07-30 22 30 15
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1713.html
虐待 差別・格差 赤ゆ 捕食種 ☆話の筋がめちゃくちゃです。 ☆ストーリーなんてものはありません。 ☆自分設定のオンパレードです。 ☆ぱちゅりーがやたらと強い。 ☆ゆっくりを様々な方法で虐待し続けるというひねりも何もない話です。 『ゆぅ…ぅ…ぼうやべでぇ…』 『おきゃーしゃ、ゆっくちして!』 『ゆわぁぁぁ…みゃみゃぁぁ!!』 うめき声を上げる親れいむに駆け寄り、心配する子ゆっくり。 すかさず男が1匹の子ゆっくりをひょいとつまみあげる。 『ゆゆ、おしょらをとんでりゅみ…ゆぅぅぅぅぅ!!!』 そしてその子ゆっくりのもみあげを引っこ抜く。 ブチリ、と小気味良い音がした。 『ゆぎゃぁぁぁぁ!!!れーみゅのもみあげしゃん…ゆびぃ!!』 男はもう片方のもみあげも引き抜いていく。 先ほどとは違い、ゆっくり、じわじわと。 『ゆびぃぃぃぃ!!いぢゃい、いぢゃ、ゆぅぅ!!!』 『おにいさん…おちびちゃんをいじめな…でくださ…』 親れいむが抗議するが男はまるで聞こえていないように子れいむをいたぶっていく。 『ゆぅ、やべちぇ、ゆぅ…ゆ゙ぅぅ!!!!!……ゅっぐ…ゆっぐ…』 男はやっともみあげを抜き終え、隣のホットプレートの電源を入れた。 『やべでぐだざい!!!おぢびぢゃんをぼう!!いじめないでぐだざい!!がわりにでいぶがやりまずがらぁ!!!』 親れいむはこれから何が起きるのか分かっているようだ。 『お前がこのチビ饅頭の代わりになるのか?』 『でいぶががわりになりばず!!!だがらおぢびぢゃんにはなにも…』 『却下。』 男はそう言うとすっかり温まったホットプレートの上に手の上の子れいむを乗せ、軽く押し付けた。 『おしょらを…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁああ!!!!!あぢゅいよおおおお!!!ゆびいい!!!あぢゅいよお!!!みゃみゃ、だじゅげでぇぇぇ!!!』 『おぢびぢゃあああ…どぼじで…おにーざん!!やべで!!!おぢびぢゃんをたすけ…ゆびぃ!?』 親れいむは蹴られてコロコロと2,3回転しながら餡子を吐いている。 『ゆぎゃあああああ!!!!だぢゅけでえええええ!!!!』 子れいむの底部とプレートの間にフライ返しを差込み、地面に叩き落とし、底部焼きゆっくりの完成。 『ゆっぐ…いぢゃい…ゆ…?あししゃん、うごいちぇね!!!はやくうごいちぇね!!!』 『ゆ…おちびちゃん…!!!』 『おねーしゃん、どうちたにょ?』 『…どぼじであししゃんうごいちぇぐれにゃいのぉ!?どぼじでぇぇ!!!れーみゅのあししゃん!!!!』 男は動けずに悶え苦しむ子れいむの上に親れいむを持ち上げる。 『おそらをとんでるみたぃ…ゆべぇ!!!!』 そこから親れいむを落とす。 『ゆ……いだいいい…』 『おい、饅頭。下見てみな。』 『ゆぅ…?…!!!!おぢびぢゃああああああああああああ!!!!!!どぼじでええええ!!!』 親れいむの下敷きになっているものは餡子と皮と、それから我が子のリボン。 『どぼぢでおぢびぢゃんがああああああああああああ!!!!!!』 今この部屋にいるれいむは3匹。 男が路地裏のゆっくり一家を菓子の類で釣って連れてきた。 『前と比べてゆっくりの数が減っちゃったな、れいむ。何でだと思う?』 『おにーざんがおぢびぢゃんだぢをゆっぐりざぜないでいっぱいごろじだがらでじょお?!!』 『おお、こわいこわい。ま、また殖やせばいいじゃねえか。』 男の手にはいつのまにか4つの透明な箱が抱えられていた。 中にいるのはれいぱーありす。 男はありすを箱から取り出し、地面に置いた。 『んほおおおおおおお!!!れいむだわあああああああああ!!!!』 『こっちにもちいさなれいむがいるわああああああああ!!!!』 2匹の子れいむは透明な箱に入れられて、親が犯される様を見せられている。 『れいぱーはゆっくりできないんだよ!!!!』 『あっちへいってね、ぷくー!!!』 『んほおおおおおお!!!!つんでれなれいむなのねええええ!!!!』 2匹の子れいむのもとへ跳ね寄っていくありすだが、ガラスのせいですっきりできないことが分かると親れいむの元へ跳ね寄っていった。 『やめてね!れいぱーありすはゆっくりできないよ!!やめてね、こないでね!!』 『んほおおおおおお!!!ありすはつんでれなれいむもだいすきよおおおおおおお!!!』 『ありすたちがとかいはなあいをあげるわあああああ!!!!』 『れいむかわいいわよおおおおおおおお!!!!』 『んほおおお、とかいはなれっすんをしましょうねええええ!!!』 1匹は親れいむのまむまむにぺにぺにを挿入し、2匹は両頬に自分の頬を擦りつけ、残る1匹は親れいむの背中ですーりすーりをしている。 『れいむのなかはすごくきもちがいいわああああああああ!!!!』 『んほおおおおおおおおおお!!!』 『やべでえええええ!!!にんっしんじだぐないいぃぃぃぃ!!!!』 『『『『すっきりーーーーーー!!!』』』』 『やべてえええええええ!!!!』 一部始終を見せられていた子れいむは餡子を吐き、黒ずんでいた。 頭から7,8本の茎を生やした親れいむはぐったりとしていた。 この親れいむは絶対に死ぬことは無い。 男はゆっくりの中枢餡を分厚い膜で覆う薬を開発した。 ゆっくりの中身を全て抜き取らない限り、この薬を打たれたゆっくりは決して死なない。また、死ねない。 男はその薬の売り上げだけで働かなくとも食べていけるのだ。 『おい、れいむ。あれを見てみろ。』 男は透明の箱の中で黒ずんでいる2匹の子れいむを指差した。 『ゆぅ!!!?どぼじでえええええ!!!』 『まぁ、1日もしたら新しいのが増えるだろ。それと、今日死んだやつがお前の飯だ。』 『おぢびぢゃんなんでだべられるわげないでじょおおおおお!!!』 『俺は今日生ゴミなんて上等なもの食わせないぞ?』 『ゆっぐ…ゆ…』 『わかったらさっさと食えよ糞饅頭が』 男はリビングからぱちゅりーとまりさをつれてきた。 それぞれの帽子には金色のバッジが光り輝いている。 男は親れいむを透明な箱に押し込み、3匹の子れいむの死骸も投げ入れた。 『もう一度言うけど、それがお前の飯だからな。お前に潰された赤ちゃんと、お前の無様な姿を見て死んでしまった…』 『おにーさん、やべでええええ!!!ぢゃんどぜんぶだべまずがら!!!おぢびぢゃんのごどはいわないでえええええええ!!!!!』 『あ、全部食べてくれるのか!!!おにいさんはそこまで言っていないけどね!!!でも嘘をついたらぶっ潰すからね!!!』 『ゆわあああああああ!!!!ぼうやべてええええええ!!!!』 『ぱちゅりーとまりさにはおいしいおやつを用意してあるよ。』 『ゆっ!!おにーさんいつもありがとうなんだぜ!!』 『あまあまさんがたべられないれいむはかわいそうね、むきゅきゅ!!!』 『ほんと、かわいそうなんだぜ!!!』 『ぼうやべてえええええ!!!!』 オレンジジュースとカステラとクッキーが並べられたトレーにまりさとぱちゅりーは跳ね寄り、行儀よく食べ始めた。 『むきゅ、このくっきーさんはおにーさんのてづくりね!とってもゆっくりできるわ!』 『かすてらさんもすごくゆっくりできるんだぜ!!!』 『むきゅきゅ、れいむもたべたいの?』 ぱちゅりーは涙目で我が子の死骸をちびちびと齧っているガラス越しのれいむに話しかけた。 『たべたいにきまってるでしょおおおお!!!ばかにしないでねええええ!!!』 『ゆゆっ、こんなおいしいものはくずなれいむにはもったいないんだぜ!!!』 『ゆわあああああああ!!!!どぼじでぞんなこというのおおおお!!??』 『おお、きもいきもい』 『むきゅきゅきゅ〜〜!!!』 『『ごちそーさま!!!!』』 十数分でトレーの上のお菓子は全て無くなり、2匹はわざとれいむに聞こえるように大声で挨拶をした。 『お、まりさもぱちゅりーも全部食べたのか、偉いなー!!』 『ゆっへん!おにーさんのおやつがおいしいからなんだぜ!!』 『おにーさんのおやつはほんとうにゆっくりできるわ!!!』 『いやぁ、照れるなー』 『あのれいむはじぶんのあまあまさんをぜんぜんたべていないんだぜ!!!まったくくずなんだぜ!!!』 『むきゅ、あのれいむはじぶんのこどもをころしたのね!!!ほんとうにげすなれいむだわ!!!』 『全く困ったれいむなんだよ…。そうだ!まりさとぱちゅりーに頼みたいことがあるんだ。』 『むきゅ、なにかしら?』 『れいむに"お仕置き"をして欲しいんだ。俺が夕飯作っている間、お願いするよ。』 『がってんしょーちなんだぜ!!!』 『ゆっくりりかいしたわ!!!』 『ここにある道具を使っていいから。じゃ、頼んだよ。』 まりさとぱちゅりーは透明な箱を傾け、乱暴にれいむを箱から出した。 れいむは箱から転げ落ちた。 『ゆ…ゆっくりやめてね!!!あたまにはおちびちゃんがいるんだよ!!』 『うるさいれいむね。おにーさんがてをやくのもわかるわ。』 『まりさたちがれいむをおしおきしてやるんだぜ!!!』 『やべでっでいっでるでじょおおおおおお!!??』 『『おお、こわいこわい』』 『やべでえええええええええええ!!!!!』 『ゆびいいいいいいい!!!!いだいいいいい!!!』 頭に針を刺されてそこらを転げまわるれいむ。 『おお、ぶざまぶざま』 『むきゅ、もういっぽんさしてみるわね!!まりさ、おさえてて!!』 『ゆっ!りょーかいだぜ!!』 『ゆわあああああああ!!!!やべでえええ!!!どっでええええええ!!!』 まりさは騒ぎたてるれいむの髪の毛に噛み付き、組み伏せるようにれいむの上にのしかかった。 『むきゅきゅ♪』 ぱちゅりーはカラフルな待ち針をくわえ、楽しそうな鳴き声をあげている。 ぶすり。 『いだいいいいいいい!!!!やべでええええ!!!!ぼうやべでえええ!!!あがぢゃんがいるんでずううう!!!!!』 『うごくななんだぜ!!!じたばたしないでほしいんだぜ!!!』 『さんぼんめいくわ!!!』 『ぼうやべでええええええ!!!!!』 結局れいむは十数本の針を頭に突き刺されることとなった。 『ゆっぐ…ゆっぐ…いぢゃい…よぉ…』 すると突然れいむの頭から生えている茎がユサユサと揺れはじめた。 茎の先から小さなものが落ちてきて、 『ゆっきゅりちていってにぇ!!!』 と合言葉のような台詞を口にした。 呆然としているれいむをよそにたくさんの赤ゆっくりが落ち、テンプレじみた言葉を発していく。 『ゆ…れいむのおちびちゃん!!!ゆっくり!ゆっくりしていってね!!!』 『『『『『ゆっきゅりちていってにぇ!!!』』』』』 『おなかがすいたよね!!!おかーさんのくきをたべてね!!!』 たとえ強い痛みに襲われていても、望まない子供でも可愛がるのは母性の強いれいむ種ゆえか。 『ゆゆーん♪れいむといっしょにゆっくり…』 『ぱちゅりー、まりさ。夕飯ができたぞ!!…お?』 れいむたちの目の前のドアが開き、男が入ってきた。 『全部で38匹も生まれたのか…。こりゃすごいな。』 普通ならあの勢いと回数ですっきりの相手をすればあっけなく死んでしまうだろう。 親れいむは我が子をあの男から必死で遠ざけようとする。 『おちびちゃん、おかあさんのおくちにかくれてええええええ!!!!』 『『『『『ゆっくちりきゃいちたよ!!!』』』』』 しかし、もう遅かった。 男は1匹の赤れいむをつまみあげ、ぱちゅりーの前に落とした。 『おちびちゃあああああ…ゆべぇ!!!!』 突然喚きだした親れいむをまりさが体当たりで沈める。 『くずれいむはだまってるんだぜ!!!』 『ぷきゅー!!!みゃみゃはくじゅじゃ…ゆぐっ!!』 『うるさいんだぜ!!!!』 一方、ぱちゅりーの目の前に落とされた赤れいむは女性的なゆっくりとして信頼できる面があったのだろう、 ぱちゅりーに助けを求めた。 『ぱちゅおにぇーしゃん、れーみゅをまもっちぇ…ゆびぃぃ!!!』 ぱちゅりーは、左右に束ねた紫色のやわらかな髪の毛をふりまわし、赤れいむの肌を痛めつけた。 『ゆううううう!!!いぢゃいよおおおおお!!!みゃみゃああああ!!!!』 『まったくうるさいわね!!!すこしはみのほどをしりなさい!!!!むきゅん!!』 赤れいむの体からは餡子がうっすらとにじんでいる。 『やべちぇええええ!!!いぢゃああああっ!!!ゆううう!!!』 パシン!!という乾いた音と赤れいむの悲鳴、親れいむの叫び声とそれに続くまりさの罵声が部屋に響いた。 『よし、そのへんでいいぞ。2匹とも。』 男はまりさとぱちゅりーを足元に呼ぶと、先ほどぱちゅりーに叩かれた赤れいむをつかんだ。 『生まれたばかりの饅頭には理解不能かもしれないが…』 手に持っている赤れいむを床に叩きつけ、まりさが踏み潰す。 『ていのうなくずれいむはぜんいんこうなるんだぜ!!!』 『もちろんこの死体はお前らが”処理"しろよ。』 足元にいるぱちゅりーとまりさをかかえ、男は楽しげに話している。 『今日はオムライスだぞ。まりさもぱちゅりーもすきだろ?』 『むきゅ、おにいさんのおむらいすさんはとってもゆっくりできるわ!!』 『ごはんさんのあとはぼーるさんであそぶんだぜ!!』 『ぱちゅはごほんがよみたいわ!!』 男はまりさとぱちゅりーとともに部屋を出て行った。 1人と2匹の笑いあう声がれいむ達にはまだ聞こえていた。 『おきゃーしゃん、おなかしゅいちゃよ…。』 『あのおにーしゃんはゆっくちできにゃいにょ…?』 『まりさとぱちゅりーはゆっくちできにゃいにょ…?』 生まれたばかりの赤れいむたちはあまりにも理不尽な出来事が続いたために親に様々な質問を投げかける。 それに対し、親れいむは自分の知っている事を一つひとつ教えてやった。 食料は死んだ仲間や生ゴミなど、とてもゆっくりできない物であること。 お兄さんは自分たちがゆっくりできないようなことをすること。 まりさとぱちゅりーもゆっくりできない存在であること。 ただ、最終的には全ての赤れいむがゆっくりできない方法で死んでしまうことはどうしても話すことができなかった。 『じゃあ、さっきのおちびちゃんをむーしゃむーしゃしようね…。ごべんね、おぢびぢゃ…』 『どうちてみゃみゃがあやまりゅにょ?』 『みゃみゃはなんにもわりゅいことちてにゃいよ!!』 『みゃみゃはとってもゆっくちできりゅよ!!』 『みゃみゃはとっちぇもとかいはよ!!』 自分の子として生まれたせいで、と続けようとした親れいむの言葉をさえぎるように、赤れいむたちは次々母親に賛辞を述べた。 『おぢび…ぢゃ…』 先ほどの涙とは違い、嬉し涙を流す親れいむ。 そんな親れいむの目の前のドアが開き、男が入ってきた。 『赤ゆっくり37匹のうち、31匹がれいむ、残りがありすか…』 男は何やら呟きながら赤ありすだけを手に持っていた袋へ詰め込んでいく。 『はにゃせ、いなかもの〜!!』 『とかいはじゃにゃいわ!!!』 6匹の赤ありすが入った袋を持って、男は部屋を出て行った。 『まってください!!!おちびちゃんをつれていかないでえ!!!』 『いもうちょをかえしちぇね!!!』 数分後、男は紙食器に盛られた何かを持ってきた。 『みんなにおいしいものを持ってきたよ。』 口調は優しく、妙にニコニコしている。 『おにいさん、おちびちゃんをかえして!!!』 『あいつらは下の階でゆっくりしてるよ。』 親れいむは何か言いたげだったが、 『まりさ達とは別の部屋だから安心して。』 と言うと、安心したようだ。 『おにーしゃん、ゆっくちできりゅごはんしゃんはどこ?』 『お、好きなだけ食えよ。』 男は皿を床に置いた。 クリームのようなものがこんもりと盛られている。 30を超える数のゆっくりたちには量が少なすぎるが、それでも分けあって食べていた。 『むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!!!』 『あまあまさんはゆっくちできりゅよ!!!』 『おちびちゃん、ゆっくりたべてね!!!』 皿の上のクリームはものの数分で食べつくされた。 『ありすおにぇーちゃんもむーちゃむーちゃできればよかっちゃにょに…』 1匹の子れいむがボソリとつぶやいた。 『ありすって…』 男はポケットからビニールの袋を取り出した。 潰れたような何かが入っている。 男は袋のチャックを開け、中身を床へぶちまけた。 6つの物体がベチャッという音を立てて床にへばりつく。 男はそのうちのひとつをつまみ上げ、れいむ達の前に落とした。 『ありすって、こいつのことか?』 中身だけを吸い上げられ、ただの皮になっている6匹の姉妹を目の前に、赤れいむ達は半狂乱状態だった。 『れーみゅのいもうちょがあああああああ!!!!』 『ありしゅおねーしゃああああああああああ!!!!』 ジタバタと跳ね回り、もみあげをピコピコさせ、甲高い声で泣き喚く。 『やっぱりおにーしゃんはゆっくちできにゃいね!!!』 『どうちてこんにゃことちゅるにょおおおおお!!?』 『おにいさん、どぼじでええええええ!!!』 『まあ、ちょっと待て。』 男が先ほどとは全く変わらない顔でれいむたちを見渡す。 『お前らがさっき食ったの、なんだか分かるか?』 『あみゃあみゃしゃんでしょおおお!?!ばかにしにゃいでにぇええええ!!!!』 『そのあまあまさんは、』 男はありすの死骸にわずかに残っているカスタードを指ですくい取り、先ほどの紙食器の上に置いた。 『こんな色だったよな?こんな匂いだったよな?』 先ほどと同じで、クリーム色で甘い香りのする物体。 『ゆ…じゃあ、さっきのあまあまさんは…』 『自分の家族はおいしかった?もっと食べたい?』 『ゆわああああああ!!!どうちてええええええ!!!!』 『ゆぶぶぶぶぶ!!!ゆげ…ぇ、ぶぶぶぶぶぶ!!!!』 数匹が泣き喚き、数匹が餡子を吐き出し、大半のゆっくりは石のように固まっていた。 『"ゆっくり殺し"のれいむ達にはその身をもって償ってもらわなきゃな。』 男はもう、いつもの表情に戻っている。 『おっと、お母さんのれいむには自分の子供の最後を見届ける義務があるからね!!!』 そう言って、親れいむの口にガムテープを貼り付け、透明な箱に押し込んだ。 親れいむの入った透明な箱を部屋の中央に置くと、男は押入れの中から鍵付きの透明な箱を取り出した。 中に入っているのは胴付きふらん。 『うー、ゆっくりしね!!!』 『ゆわああああああ!!!!ふらんだあああああ!!!!』 『おきゃーしゃんたしゅけちぇぇぇぇぇぇ!!!』 男は鍵を外し、ふらんを抱え上げ、床に降ろした。 ふらんはドタドタとれいむたちを追いかけ回す。 『こっちこにゃいでええええええ!!!!』 『ゆっくりしね!!!』 『ゆゆっ?おしょらをとんでりゅみちゃい!!!』 その中でも特別動作の遅い赤れいむがふらんに捕まった。 『うー!!』 ふらんは両手で赤れいむの両頬をつねると、そのまま横へ引っ張る。 『ゆぅぅぅぅぅ!!!!ぢぎれぢゃああああ!!!』 『ゆっくりしね!!!』 赤ゆっくりの肌の柔らかさが気持ちいいのか、伸び縮みをさせて楽しんでいる。 『いぢゃあっ、やべでぇええええ!!!ゆうぅ、ゆぐぅうううっ!!!』 やがて強制的に”お食べなさい”状態になり、ふらんはその赤れいむを皮ごと食べつくした。 ふらんは次に、そばに落ちていた金串を片手に3匹の赤れいむを捕まえた。 まず1匹を金串に頭からぶっ刺していく。 『ゆぎゃあああああっっ!!!あぢゃまがいぢゃああああっ!!!!』 続いて2匹目。 『ゆべええええええええええ!!!』 最後の1匹。 『やべでえええええええええっ!!!!』 ふらんは自家製のゆっくり団子をおいしそうに頬張った。 次に捕まえた赤れいむには牙を突き刺し、中の餡子をジュースのように吸い上げる。 『ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙っ…』 『うー!!!うまうま〜☆』 次のれいむは目玉を穿りかえし、コリコリした食感を楽しんだ。 『おみぇみぇがみえにゃああああ!!!』 『ゆっくりしね!!!』 『ゆぐうううっ!!!!こっちこにゃいでにぇええ!!ふらんはゆっくちできにゃいよおおおお!!』 男はデジタルカメラで赤れいむが食べられる様を撮影している。 真っ二つに引き裂かれる赤れいむ、団子のように串刺しにされる赤れいむ、中身を吸い上げられる赤れいむ、目玉を抉られる赤れいむ…。 そして寝室から持ってきたノートパソコンへ写真を読み込み、ゆ虐SNSの『ゆクシィ』へアクセス。 マイページを開き、先ほど撮った写真を貼り付け、新記事を書く。 『今日は…赤れいむを虐待した…と。』 男は記事を書き終えると大きく伸びをし、パソコンを脇に抱えて立ち上がる。 『明日にはどうなっているかな…。』 男はふらんとまだ生き残っている20匹弱の赤れいむを残し、部屋を出た。 鍵をかけている間も赤れいむの悲鳴が聞こえてくる。 『やべでえええええええ!!!づぶれぢゃああああああ!!!』 『ぼうやべでえええええええ!!!』 男は笑みを浮かべ、 『明日も楽しませてもらおう…』 と呟いた。 あとがき はじめまして。 これが初めての投稿になります。 さっそくですが、テーマを1つに絞ったほうがよかったかな…と反省しております。 あとは成ゆっくりをもっと虐待したかったです。 今後は制裁系も書いてみたいな…と思っています。 ぱちゅりーの虐待モノもいつか挑戦したい…。 最後までお読みいただきありがとうございました。 byしまねこ このSSに感想をつける SSの評価もぜひ。(5点満点) 選択肢 投票 ゆゆっ、5点だよ! (0) ゆっへん!4点だぜ! (0) とかいはに3点ね! (0) むきゅ、2点よ! (0) 1点だねー、わかるよー (0) 0点だちーんぽ!! (0)
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/811.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 378 記憶力/コメントログ」 で? -- 2010-06-28 00 48 27 考察系はゆっくり出来るよ -- 2010-07-05 07 17 33 で?じゃねえよ -- 2010-09-20 16 36 26 あっそ -- 2010-09-30 07 50 14 せやな -- 2010-11-02 23 08 15 短っ! -- 2011-11-02 23 49 56 え? -- 2012-03-14 21 59 10 てことは、うんうんと餡子を大量に入れ替えたら 嫌な記憶が大量に蘇るのだろうか・・・・ -- 2012-08-11 02 39 04 嫌な記憶は忘れやすい、人間と一緒だなぁ、でも↓の言うように大勢のゆっくりのうんうんを詰めたら嫌な記憶がカオスになるんだろうな -- 2013-01-21 07 13 02
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1125.html
川原の一家 34KB 虐待 理不尽 野良ゆ 長いです。誤字脱字はご容赦ください。 朝からゴロゴロしていた。 ヒマだ。 特に用事はない。 録画しておいたテレビ番組はあらかた観てしまったし、積んであった本も崩してしまった。 楽しみにしているゲームの発売日はまだ先だ。 とはいえ、せっかくの休み。このまま狭いアパートの一室で、ヒマを持て余すのはもったいないよな。 俺は体を起こし、だらけきった心身に気合いを入れるためにつぶやいた。 「うし! んじゃ、ここは一発」 ゆっくりでもブッ殺しに行こうかな。 「探そうとすると、なかなか見つからないんだよなあ」 ポケットの中の菓子──ゆっくりどもにくれてやるエサ──を手で弄びながら、俺はつぶやいた。 普段はウザいくらいに目にするってのにさ。 だいたいゆっくりに限らず、探し物ってのは必要な時にどうしてこう……。 まあ言ってみてもはじまらない。とりあえず、ブラブラと町を歩ってみよう。 「川原か……」 この広い道路の向こう、土手を下りたところには、町の中心を流れる川。 ざっと見渡すと、川原に人の影はないみたいだ。 夏には子ども達でごったがえしていたけど、まあ肌寒いこの季節、わざわざ水辺で遊びたがる物好きもいないだろうけどね。 そんなことを考えながら視線を流すと、草の影にポツポツと、丸いモノが二つ三つ動いているのが見えた。 「お? いたいた。いましたよ~」 俺のかわいい暇つぶしアイテム! 待ってろよ、おめーら。今すぐそっちに行ってやっかんな! はやる気持ちをおさえながら、左右から来る車をやりすごして──この辺は車が多い──道路を渡り、俺はいそいそと川原へ下りていった。 近くに寄って確認すると、ひのふの──全部で五匹いた。 サッカーボール大のまりさとれいむが一匹ずつ。さっき見えたのはこいつらだ。 そしてその子どもと思われるテニスボール大のまりさが一匹に、れいむが二匹。 揃いも揃って、間抜けヅラでチョコマカしていやがる。 ──お、こっちに気づいた。 興味深そうに俺を見つめている。 大きい二匹は少し表情を固くしたようだが、俺が間髪入れずに 「ゆっくりしていってね!」 と挨拶したら、 「ゆっくりしていってね!」 と表情を和らげて──バカヅラさげて──挨拶しかえしてきた。 ここでさらに、 「君たち、あまあま食べる?」 なんて菓子を見せてやれば、もうイチコロだ。 「ゆゆっ! あまあまさんだよ!」 「ゆっくりたべるよ!」 「むーちゃむーちゃ!」 「ち、ちあわちぇ~!」 警戒心はどこへやら。みんな仲良くがっつきはじめた。 な? ほんとチョロいわ。 「おにいさんはゆっくりできるにんげんさんだね!」 「おにいしゃん、ゆっくちしちぇいっちぇね!」 「はいはい、ゆっくりしていってね」 適当に流す。 「君たちは家族なのかな?」 「ゆっ! そうだよ! おちびちゃんたちは、まりさとれいむのじまんのおちびちゃんたちだよ!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 頭の中に「ゆっくり一家皆殺し」というフレーズが浮かんだ。生唾ごっくん。 「そうなんだ~。今日は家族揃ってお散歩かな?」 「ゆっ! きょうはまりさのまりさに、ぷーかぷーかのれんしゅうをさせるんだよ!」 「れいむのまりさは、すごくじょうずにおみずにうかぶんだよ!」 「ゆふ~ん」 褒められて照れる親まりさ。 えーと、要するに今日は「子まりさに水に浮かぶ練習をさせにきた」ってことだな。 「ゆふふ~。まりしゃ、すてきなおぼうちしゃんでぷーかぷーかしゅるんだよ!」 自慢げに、俺に帽子を見せてくる子まりさ。 「おねえちゃんいいな~」 「れいみゅもぷーかぷーかしてみちゃい~」 「れいむたちは、まりさが羨ましいんだね」 俺がそう言うと、一匹の子れいむが嬉しそうに、 「ゆっ! でも、れいみゅはおしょらをとべるよ!」 その場でぴょんぴょん飛び跳ねはじめた。 はは。かーわいいの。すり潰しちゃいたいくらい。 そういうことなら──。 俺はおもむろに右手でその子れいむを持ち上げ、手の平に乗せる。 「ゆゆーっ! れいみゅ、おしょらをとんでりゅよー!」 「ゆわあ、おねえちゃんしゅごーい!」 「まりしゃもおしょらをとんでみちゃいよ!」 俺は右手首を軽く上下させ、手の平の子れいむをポヨンポヨンと弾ませる。 「ゆっ! ゆっ! もっちょやっちぇえ~」 おうおう、楽しそうだねえ。 「ゆ~ん。おちびちゃん、とってもゆっくりしてるよ~」 親どもも幸せそうで何よりだ。 ──さて、それでは。 子れいむを持った右手に力を込める。 「ゆ? おにいしゃん、ちょっといちゃいよ?」 その手を大きく振りかぶり、 「ゆわーい!」 子れいむを斜め前方に思いきりブン投げた。 「おしょらを──」 飛んでいるみたい! の声は最後まで聞くことができなかったが、子れいむは見事にお空を飛んで──川に落ちた。 俺がいきなり体を大きく動かしたことに驚いたんだろう。一家はしばらくポカンとしていたが、俺の右手に子れいむがいないことに気づくと、親れいむはゆっくりと、それでいて少し焦ったように問いかけてきた。 「ゆ? おにいさん、おちびちゃんはどこにいっちゃったの?」 ンだよ、ちゃんと見てなかったのか? おまえの子どもの、最初で最後の華麗な飛行っぷりを! 仕方ないので、優しい俺は川を指さし、 「あそこで、今まさに永遠にゆっくりするところだよ」 と答えてやる。 指の先では、水に浮かんだ赤いリボンがバシャバシャと飛沫を上げていたが──やがて動かなくなった。 ちっ。仰向けになってるから死に顔が見えねーじゃんよ。 「れいぶのおちびじゃんがあああああああ!!」 「おちびじゃんがしんじゃったああああああ!!」 「おねえじゃああああああん!!」 「まりしゃのかばいいいもうちょがああああああ!!」 家族は見事な四重奏を披露してくれた。 ん~、なかなかの音色ですなあ。 ま、ゆっくりの悲鳴なんて、素人さんにはただ喧しいだけの雑音に聞こえるんだろうが、慣れるとこれが病みつきになるのよ。 「お、おにいさん! なんでこんなことするの!」 「そうだよ! おにいさんはゆっくりしたにんげんさんじゃなかったの!?」 「ゆえええええん!!」 一家が俺を非難する。 「いや、俺はゆっくりした人間さんだよ? みんなにあまあまあげたでしょ?」 「ゆゆ……?」 「でしょ?」 はは、こいつらの頭の上にハテナマークが見えるようだ。 「ゆっくりできない人間」だと感づいてはいるんだろうね。 でも、あまあまをもらった記憶も強く残っている。 結果、餡子脳は激しく葛藤することになるが、でも餡子脳なので、こうなるとなかなか結論を出すことはできない。 「この人間ヤバい! 逃げないと超ヤバい!」と確信するころには──まあ大抵死んでるわな。 ああ、愛すべき餡子脳! しょんぼりとうなだれる一家。 俺を見る目つきも変わってきたようだ。 しょうがねえな。また菓子をくれてやるよ。ざばざば~、っと。 ホレ、とっとと食え。 「ゆ、あまあまさん……」 「むーしゃむーしゃ……」 「……」 さすがに「しあわせ~」な気分にはなれないか。 おちびちゃん死んじゃったもんね。プッ! 「……なあ、おまえら、さ」 俺はつとめて優しく話しかける。 「子れいむはアレでアレしちゃったけどさ、これからはあいつの代わりにゆっくりしてやることが、残された『家族の務め』ってやつじゃないのかなあ」 「ゆう……」 「ほらほら、そんなゆっくりしてない顔してたら、死んだれいむに笑われちゃうぜ~い?」 わはは。我ながら、また随分くっさいセリフだなあ。 それでもこいつらの心には響くものがあったようだ。全員の目と眉毛がキリッとなった。 うわ、見ろよこのムカつくツラ! 「ゆっ! そうだね! これからはおちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ!」 「まりさ! おちびちゃんたち! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 「ゆっくち~!」 連中、再び「むーしゃむーしゃ」とやらかしはじめた。今回は「しあわせ~」付きだ。 おおむね完全復活と言えるだろう。 菓子と陳腐な励ましでコレですよ。 君らの人生──いや、ゆん生か?──ずいぶんと安いんだね。 まあいいや。 「ところで、まりさ。……いや、食い散らかしてないで聞いてよ」 「むーしゃ、むーしゃ……ゆ? なに、おにいさん?」 俺は親まりさに問いかける。 「まりさは、お帽子に乗って水に浮くことができるんだよな?」 「ゆ! まりさのとくぎだよ!」 ゆっへん! と、得意げに体を反らせる親まりさ。 そのどてっ腹に風穴あけてえ……。 そんな気持ちをグッとこらえ、さらに問いかける。 「で、子どものまりさは練習中なんだよな?」 「そうだよ! きょうはおちびちゃんのれんしゅうに──」 「じゃあさじゃあさ、こっちのれいむは?」 「ゆっ!?」 親まりさはおろか、親と子、二匹のれいむも驚いてこちらを見つめ返してきた。 その目はこう言っている──なにいってるの? 「この子には、水に浮く練習させてみたのか?」 「おにいさん? れいむはぷーかぷーかできないんだよ? ゆっくりりかいしてね!」 あっ、このクソれいむ! 蔑んだ目で俺を見やがった!? 饅頭のくせに~! くきい~! 「……いや、親が、他のれいむ達ができないからって、この子ができないとは限らないだろ?」 トンビがタカを産むなんて言うし──と、言おうとしてやめた。どうせ理解できないだろうし、なによりトンビにもタカにも失礼だ。 代わりにおべっかを使う。 「だってほら、こんなにゆっくりしたいい子なんだぜ。才能に満ち溢れていそうじゃないか?」 「ゆっ?」 「我が子の才能の芽を摘み取っちゃうのは、『ゆっくりした』親とはいえないんじゃないかなあ?」 さすがにこの物言いは無理があるよね、と思ったその瞬間、両親の目と眉毛がキリッとなった。 だから、そのツラすっげえムカつくんだよ! 「ゆっ! おにいさんのいうとおりだね!」 「おちびちゃん! きょうからおとうさんといっしょにぷーかぷーかするよ!」 「ゆっ? ゆゆっ?」 言われた子は目を丸くしている。そりゃそうだよね。 何の根拠もなく、いきなり親から「おまえならできる!」なんて言われたら、人間だって、他ならぬ俺だって戸惑うっつー話だ。 とにかく両親を丸め込むことはできた。 「ふぁいとだよおちびちゃん!」「ちゃれんじせいしんだよ! ふろんてぃあすぴりっとだよ!」などと子れいむを励ます二匹を尻目に、俺は子まりさの小さな帽子を奪い取った。 ぬ、帽子の中に、小生意気にも木の枝──オール代わりだ──が入ってやがる。 「まりしゃのおぼうち! ゆっくちかえちてえええ!?」 「ごめんね、まりさ。少しだけお姉ちゃんに──あれ、妹だっけ? 貸してあげてね」 「……ゆゆう。ゆっくちかちてあげるよ……」 渋々了承してくれた。うは、ちょっと涙目になってら。 「ゆゆっ! れいみゅはやりゅよ! れいみゅは、できりゅゆっくちだよ」 「がんばっておちびちゃん!」 両親の洗脳が効いたらしい。子れいむもすっかりやる気だ。 さすが小さいだけはある。親に輪をかけて単純な脳味噌してるぜ。 ともあれ、こいつらの気が変わらないうちにとっとと済ませるか。俺は子まりさの帽子を川に浮かべた。 「それじゃ、れいむ! さっそくトライしてみようかな~?」 「まかちぇて! おにいしゃん!」 ふんふんと鼻息の聞こえてきそうな──鼻はないけど──れいむをつまみ上げ、川に浮いた帽子に、ちょこんと乗せてやった。 世にも珍しい、水上れいむの登場だ! ──珍しいったって、俺は何匹も見てきたんだけどね。 俺が生み出して、そのすべてを俺が葬ってきたのさ。 そんな輝かしいキャリアはともかく、目の前の水上れいむだ。 「ゆっ! ゆっ! れいみゅ、ぷーかぷーかしゅるよ!」 気持ちよさそうにプカプカと水の上を漂う。 なんと自信に満ち溢れた顔つきだろうか。少しその自信をわけてほしいね。 「ゆわーい! れいみゅ、おみずにうかんでるよ!」 「おちびちゃん、かっこいいよ!」 「……ゆう、まりしゃのおぼうちしゃん」 だが岸から離れるにつれ、その顔がだんだん曇ってきた。 川の真ん中付近に流れついた頃には、 「こわいよおおおお! ゆんやああああああ!!」 あらあら、泣き出しちゃったよ。 基本的なことを何も教してもらえず、いきなり水の上に放り出されたんだ。 パニックになっても無理はないな。 「たしゅけてええええ!! れいみゅ、もうぷーかぷーかしちゃくないよおおおお!」 帽子の上で体をジタバタさせている我が子を見て、両親はオロオロしている。 自信を持って送り出したのは、あなたたちでーす。 「たしゅけ……ゆびぃっ! おみずしゃんがああああ!!」 水飛沫が少し体にかかったらしい。 狭い帽子の上であんなに暴れたらなあ。 これには両親も大慌てだ。大声を張り上げた。 「おちびちゃんゆっくり! ゆっくりしてね!」 「きのえださんを、ゆっくりおくちにくわえてね!」 「ゆ、 ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 親まりさからのアドバイスを受け、木の枝を口にくわえる子れいむ。 「つぎは、ざーぶざーぶだよ! ざーぶざーぶ!」 「ゆっ! れいみゅ、ざーぶざー──!」 あ。 「きのえだしゃんがあああああ!」 うははは! オール落としちまいやんの! 口に加えたまま騒いだら、そりゃ落とすわ。 「きのえだざんおとしちゃだめでしょおおおおお!?」 親まりさも大騒ぎ。 少なからずおまえのせいだ。何あの抽象的なアドバイス。 「ごわいよおおおおお! だれかれいみゅをたしゅけてねえええええ!!」 揉み上げを忙しなく上下させながら、水上の孤独な子れいむが泣き叫ぶ。 ピコピコ。 ……ん? 「れいみゅ、まだちにたくないよおおおお!!」 ピコピコピコ。 ……んん? 「まりさああ!! おちびちゃんをたすけてあげてえええ!!」 「ゆっ! おちびちゃん! いまおとうさんがたすけてあげるからね! ゆっくりまっててね!」 「ゆわあああん! おとうしゃん! ゆっくちはやくたすけてねえええ!!」 ピコピコピコピコ。 ……あ、駄目だ。こりゃ我慢できないわ。 俺は足元の石を拾い上げ、川の中ほど──子れいむめがけて投げつけた。 「ゆびいっ!」 惜しい! 石は帽子をかすめ、水の中へ。 では第二球── 「おおおおにいさん、なにやってるのおおおおお!?」 親れいむが文句たれてきた。 うっせえなあ。 川に駆け出そうとしていた親まりさも、信じられないようなものを見る目で俺を見ている。 「いやね、あの『ピコピコ』ってのが死ぬほどウザくて──じゃなくて。波を立てて、れいむをこっち側に流そうと思ってさ」 適当ブッこきながら狙いを定め、改めて第二球──投げました! 石はまっすぐに子れいむに向かって── 「ゆ゛っ!」 「おっ、ストライーク! ナイスコントロール!」 あははは! 見た今の? 顔面のど真ん中にブチ当たってやんの! 最後ちょっと寄り目になってたぜ、あいつ! いやあ、我ながら素晴らしい投球だったね。 え? 子れいむ? もちろん引っくり返って、そのまま水中にぽちゃんだよ。 哀れ子れいむ、文字通り泡と消えました。 「れいぶのかわいいおちびぢゃんがあああああ!!」 「まりしゃのすてきなおぼうち……かわいいいもうちょがああああ!!」 ありゃ、咄嗟に本音が出ちゃった。 まりしゃちゃんは、帽子──今は川をドンブラコッコしてる──の方がショックだったんだね? 声が一つ足りないなあと思って川べりを見ると、親まりさが無言でこちらを向いていた。 我が子を救出に向かおうと、今まさに帽子を川に浮かべたところだったらしい。 その目はカッと見開かれ、全身をプルプルさせながら呆然と俺を見ている。 だらしなく開けられた口からは、声にならない声がでているようだ。 アテレコするなら、さしずめ「どぼじでこんなことするのおおおおおおお!?」ってトコかな。 水に浮かんだ親まりさの帽子を拾い上げた。 それをそっと持ち主にかぶせてやり、俺は静かに、 「なあ、まりさ」 と言いながら、その口に菓子をねじ込む。 「どぼじでこんな──ゆっ?」 「確か、お飾りのないゆっくりは、ゆっくりできないんだよな?」 こんな時になにを、という顔をしながら、まりさは、 「むーしゃむーしゃ……あたりまえだよ! おかざりのないゆっくりは、『せいさい』されてもおかしくないよ!」 強くキッパリと、そう言った。 てことは、だ。 「あれれ~? あそこのゆっくり、お飾りがないなあ~」 俺は子まりさをビシッと指さす。 「そんなことよりおにいさん──ゆっ! おちびちゃん!?」 「ゆゆっ! おちびちゃんのすてきなおぼうしが!」 両親は慌てに慌てるが、当の子まりさは、 「ゆゆ~ん……」 遠くに流されてしまった帽子を、涙を浮かべながら眺めていた。 俺は両親を掴んで、子まりさの所に連れてくる。 どんよりした顔を付き合わせる三匹。 「……まりしゃのおぼうちしゃん、ゆっくちかえちてええええ!!」 子まりさは両親の顔を見ると、ワンワン泣きはじめた。 「ゆええええええん! すてきなおぼうししゃん! かえちてよおおおおおお!!」 うわあ、これはいい泣き声。ぞくぞくしてきた。 「おちびちゃん、ゆっくり! ゆっくりしてね!」 「ゆゆっ、おとうさんとおかあさんが、すーりすーりしてあげるよ! すーりすーり!」 普段なら気持ちよく、そしてゆっくりできる両親揃っての最高の「すーりすーり」なんだろうが、帽子を無くした悲しみまでは癒せないらしい。 ゆっくりにとってのお飾りってのは、それほどまでに大事で、かけがえのないものなんだな……。 それはわかるんだけど、みなさん。 つい今しがた川に沈んだ子れいむのことも、少しは思い出してあげてください。 ここで俺が駄目押し。 「ねえねえ、おちびちゃん。君のお父さんがさ、『お飾りのないゆっくりは制裁するよ!』だってさ」 子まりさの目から、涙がドバッとあふれた。 「ゆんやああああああ! 『せいさい』ちないでええええ! ゆっくちできないよおおおお!!」 「ゆっ! ちがうよおちびちゃん! おとうさんは──」 「ゆわあああああん!! 『せいさい』こわいいいいいいい!!」 仰向けになってジタバタジタバタと、子まりさは全身で恐怖と悲しみを表現している。 あらあら、しーしーまで漏らしちゃってまあ。 「お、おかあさんのおうたをきいてゆっくりしてね! ゆっくりのひ~。まったりのひ~」 「ゆびゃああああああん!! ゆっぐぢしたいよおおおおおおお!!」 うまいんだか何だかわからない、お母さんの歌も効果なし。 転がったり飛び跳ねたりしながら、ギャンギャン泣き叫んでいる。 「ゆゆゆゆっくりしていってね~。ゆゆゆのゆ~」 それでも歌い続ける親れいむは、今にも泣きだしそうだ。 もうほとんど涙声。 そんな切羽詰まった歌じゃ、誰もゆっくりできないだろうね。 「まりしゃのすてきなおぼうちしゃああああああん!! 『せいさい』はいやぢゃよおおおおおおお!!」 俺に言わせりゃ、この子まりさの泣き声の方がよほどゆっくりできるよ。 ──ん? そういえば、親まりさが黙りこくっちゃったな。 どうしたんだろうと親まりさを見ると、奴は静かにうつむいていた。 その表情は帽子に隠れて見えない。 泣くの? 泣くの? と期待していたら、親まりさは突然、勢いよく顔を上げた。 あ、また例の表情してるよ! ムカつく! 「おちびちゃん! ゆっくりしていってねっ!」 「ゆびゃああああ──ゆっ!? ゆっくちしちぇいっちぇね!」 父の自信に溢れる──こいつらはこれも「ゆっくりしてる」って形容するんだろう──ご挨拶に、子まりさはピタリと泣き止む。 「よくきいてね! おぼうしのなくなっちゃったおちびちゃんは、たしかにほかのゆっくりにいじめられるかもしれないよ!」 「ゆええ……」 あ、また涙がポロリと。 「おぼうしやおりぼんは、すごくたいせつなものだよ! でもね」 「ゆ?」 親まりさは優しく、ゆっくりと微笑み、 「きめたよ! おちびちゃんは、ずっとずっと、おとうさんとおかあさんがせきにんをもってゆっくりさせてあげるよ!」 「ゆゆっ!」 子まりさの大きな目が、さらに大きく見開かれる。 「おぼうしがあるかないかなんてかんけいないよ! おちびちゃんはかわいいかわいい、まりさとれいむのゆっくりしたおちびちゃんだよ! それを『ゆっくりしてない』なんていうゆっくりがいたら、そのゆっくりはおとうさんが『せいさい』してあげるよ!」 ゆっへん! と胸を張り、 「だからあんしんしてね、おちびちゃんっ!」 迷いのない真っ直ぐな瞳で、子まりさを見つめた。 「ゆゆゆうっ! ……ゆんやああああ! おとおしゃあああああん!! おかあしゃあああああん!!」 子まりさ大泣き。 さっきのような恐怖からの涙ではない。うれし涙だ。 しーしー──これも今度はうれしーしーだ──が足元に小さな水たまりを作る。 大丈夫かこいつ? 自分のしーしーで溶けちゃうんじゃないか? 「ゆゆ~ん。なかなくていいんだよ、おちびちゃん~!」 「よかったねおちびちゃんっ! よかったねっ!」 目尻を光らせながら、両親も優しく微笑んでいる。 いやいやいや。 これは素晴らしい家族愛ですなあ。 いわゆる「愛で派」なら、もらい泣き必死だね、こりゃ。 聞きようによっては、「だらしないおまえをパパとママが養ってあげるからね」という、両親によるニート公認宣言だけどな。 おお、うらやましいうらやましい。 頃合いかな。 俺は泣き笑いを続ける子まりさの背後にまわり、 「ゆっくち! ゆっくち! ゆっくちしちぇ──ゆぎょっ!?」 その後頭部を思いっきり、爪先で踏み潰してやった。 上からの強い圧力に負けた子まりさの体内の餡子が、皮膚を突き破り外に溢れ出る。 後頭部ってことは、要するに体半分を潰されたわけだが、 「い、いぢゃっ……いぢゃいよおおお!! ゆぎゃあああああああん!!」 それでも生きてるのが、こいつらのすごいところだ。 「おにいざああああああん!! なにじでるのおおおおおお!?」 「れいぶのおぢびじゃんが、はんぶんになっぢゃっだあああああああ!!」 脈絡のない俺の行動とその結果に、パニクる両親。 いや、だってさ。 「さっき、『お飾りのないゆっくりは制裁』っていってたじゃん。それを手伝ってやろうとね」 俺は悪びれなく言った。 「そのおはなしはもうおわったでしょおおおおおおお!? おちびじゃんは、まりさたちがゆっくりさせてあげるんだよおおおおお!?」 「ばかなの? しぬの?」 おめーらにバカとか言われたくないですう~。 「ああそうなんだ~。ごめんごめ~ん。でもさ。こんなかわいそうな体になっちゃったおちびちゃんだけど、それでもゆっくりさせてあげられる?」 どうなの? ん? ん? 我ながら底意地の悪いこの質問に、間髪入れずに親れいむが答えた。 「あたりまえだよ! どんなすがたになっても、おちびちゃんはかわいいおちびちゃんだよ!」 さすがはれいむ種。ゆっくりの中でも特に母性が強いとされているだけはある──その認識、近頃ちょっと怪しいけど。 「そうだよ! おちびちゃん、ぺーろぺーろしてあげるからね! ぺーろぺーろだよ!」 「おかあさんもぺーろぺーろするよ!」 揃ってぺーろぺーろしはじめるが、 「いぢゃいいいいいい!! いぢゃいよおおおおおおお!!」 痛みは引かないらしい。 そりゃそうだろ。かえって苦痛なんじゃないの? 「ひぎゃああああああ!! いぢゃいっ!! いぢゃぢゃぢゃっ!! いぢゃいいぢゃいいいいいいいいい!!」 しかしこいつ、ほんといい声で泣くなあ。 「おがあぢゃあああああん!! もういやぢゃああああああ!! おうぢがえるうううう!!」 「ぺーろぺーろ! ぺーろぺーろ!」 おうおう。この必死な姿、ニヤニヤが止まらない。 興奮しながら俺は右足を上げる。 「優しいお父さんとお母さんなんだね。じゃあこんな姿になっちゃったらどうかなあ」 言ってから、両親を避けるように右足を振り下ろした。 「ぺーろ──ゆっ! ゆっ!? ゆがあああっ!」 「れいぶのおぢびじゃんが、またはんぶんになっぢゃっだあああああああ!!」 俺の右足の下では、子れいむの顔の左側が潰れている。 ならば残された右側は無事かといえば、もちろんそんなことはない。 巻き込まれた髪や皮膚、餡子が交じりあってグチャグチャだ。 「あ、あんこじゃん……まりしゃの、なががら……でて、いがない、でえ……」 こんな状態で、それでもまだ生きてるってんだからすげえな! まあ、俺の踏みつぶしテクもすごいんだけどね。 ギリギリ殺さず、ギリギリ生かしておく。この域に達するまで、どれだけのゆっくりを犠牲にしてきたか! 思い出すぜ。そういえばあの時は……。 「だがらおにいざん!! なにじでるのおおおおおおお!?」 あ、いかんいかん。 自分の腕に酔いしれちまったぜ。 「いやその、お兄さんは……だからその……アレだよ」 咄嗟に言い訳がでてこない。 俺もまだまだ未熟だ。 「で、でもさ。こんな体になっても、おちびちゃんをゆっくりさせてあげられるんだろ?」 「ゆっ! もちろんだよ! ねえ、まりさ!?」 親れいむは自信たっぷりに答えるが、親まりさは、 「ゆ? ゆ、ゆ~ん……」 煮えきらない表情で、傷ついた我が子をぺーぺーろしてる。 「まりさどうしたの!? おちびちゃんをゆっくり──」 「まあ待てよ、れいむ」 親れいむを遮って言った。 「まりさはわかってるんだよな?」 「ゆっ!」 親まりさの体がビクンと跳ねた。 そうだ。こいつはわかっている──子まりさは、もうダメだ。 「ゆ゛っ……いぢゃ……よ……おと……しゃ……」 まともに言葉を発することもできず、ただ体をビクビクと痙攣させている──瞳もすでに濁りかけている──我が子を見て、 「ゆう……。おにいさん。おちびちゃんをゆっくりさせてあげてほしいよ……」 親まりさは、ゆっくりとそう言った。 さすがに自分の手にかけるのは無理ということか。 「いいんだな、まりさ」 親まりさから顔を背けながら、俺は言った。 痛々しい父親を正視できないわけではない。 このニヤケヅラを見られるわけにはいかないんだっつーの。 「おねがいするよ、おにいさん……」 良かった。気づかれてないや。ウププププ。 「なるべくいたくしないであげてね……」 「ゆっ? なにいってるの、まりさ?」 わかっていないらしい親れいむに、心優しい俺が説明してやる。 「いいかい、れいむ。このおちびちゃんは、きっともう助からない。だから苦しまないよう、ゆっくりさせてやるんだ」 芝居がかったタメを作る。 「──永遠に、さ」 「なんでぞんなごどいうの! まりざああああああああ!?」 俺のカッコいいセリフに被り気味に、れいむが叫ぶ。 「ゆう……。れいむ、ゆっくりきいてね。おちびちゃんはもう……」 「そうだ。よく見てみろ、れいむ」 俺は子まりさを指でつつく。つんつくつん。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ」 あ、やべえ。そろそろ限界? こりゃのんびりしてらんないぞ。 「おぢびじゃああああん!! おかあさんがぺーろぺーろしてあげるからねえええ!!」 「れいむ。傷を癒してやるというおまえのその行動も、親の選択として一つの正解だ」 れいむ種はその母性の強さ故に、我が子を殺すことなんて考えられないんだろう。 そんなもんクソ食らえのゲスなれいむも、最近は珍しくもないけどね。 俺は続ける。 「でもな。この場合、まりさの考えの方がおちびちゃんのためだと思うぜ? だから──」 「あんこさん! あんこさん! ゆっくりしないでおちびちゃんのなかにもどってねええええ!!」 れいむの絶叫を聞きながら、俺は子まりさに残された前部右半分を思いきり踏み潰す。 「…………」 断末魔の声を上げることすらできず、子まりさは永遠にゆっくりした。 「ゆぎゃっ! ゆぎゃああああああ!! おぢびぢゃああああああん!?」 ふう。 ああ良かったー! 勝手におっ死ぬ前に、きっちりとどめさせたよー! 右足をぐーりぐーり──うーむ、この感触! 「すっきりー!」とでも叫びたい気分だ。 「ごべんね……おぢびぢゃんごべんね……。だめなおとうさんでごべんねえ……。ゆっぐ、ゆっぐ……」 あ、親まりさが泣いてる。 前の二匹と違って、目の前には子どもの死骸がある。 切り替えの早さには定評のある餡子脳とはいえ、さすがに堪えるんだろうな。 「ゆっぐ、ゆっぐ……」 まあでも、そんなに責任を感じるなよ。 お前らは確かにダメでバカで愚か極まりないが、何を隠そう、今回の悲劇は全面的にこの俺が原因だ。 また菓子をくれてやるから、元気出せよ、な! ほら、親れいむもこっちに──あれ? さっきまで大騒ぎしていた親れいむだが、今は俯いて体を小さく震わせている。 「………」 あ。 これはもしかして。 「ゆっぐ、ゆっぐ……。ゆっすん。……れいむう、これからはおちびちゃんたちのぶんもゆっくりしてあげようね……」 「……おちびちゃんを」 「ゆっ? なに、れいむ?」 もしかして、もしかして? 「おちびちゃんをころしたまりさは、ゆっくりしねえええええええ!!」 お母さんがキレちゃったー! 強すぎる母性は時として母を凶行に駆り立てる。 叫び声を上げながら、一直線に夫である親まりさに突撃した。 「ゆゆっ、れいむ! なにするの? やめてね! やめてね!」 「ゆっくりしねえええええ!!!!」 何度も体当たりを食らわせる。おお、ナイスタックル。 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ゆべしっ! いたいよ! いたいよ! れ、れいぶううううう!!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ゆががっ! ゆぐぐっ! ごべんね。ごべんねえ、れいぶう……」 かわいい子どもの変わり果てた姿を目の当たりにしては、泣こうが謝ろうが、母の憤怒の炎は消えはしない。 その怒りをぶつける相手が愛しい夫であっても、だ。 親れいむは親まりさを組み敷き、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「おちびぢゃんたち……れいぶ……ごべんね……。まりさをゆるじでね……!」 何度も何度も飛び跳ね、踏み続ける。 親まりさにはされるがままで、抵抗の意思は無いらしい。 餡子脳に──たとえ意識の外に追いやってしまったとはいえ──こびり付いた子ども達の死に様に、もうなにもかもを諦めてしまっているのかもしれない。 ──ちっ。しょうがねえなあ。 「ゆっくりしねええええええ!!」 「まあまあ、落ちつけよ、れいむ」 「ゆっ! まりさがおわったらつぎはおにいさんのばんだよ!! ゆっくりかくごしてね!!」 ありゃま、俺も制裁されちゃうの? まあ当たり前っちゃ当たり前か──何たって、おちびちゃん殺しの実行犯だし。 「そんなこと言うなよ~。とりあえずさ、あまあまでも食べて──」 「うるざいよおおおおお!?」 おお、おっかねえツラしてんなあ! 男ってやつは、どうもこういうツラに弱いんだ。 人間だとかゆっくりだとかは、この際関係ない。 怒った母ちゃんには決して逆らうな──きっとそういう情報が、男を形づくる遺伝子に組み込まれてるんだろうね。 いや、マジでマジで。 そんなことはともかく、こりゃ、なだめるのは無理っぽいや。 仕方ない。れいむお母さんには、この辺でご退場願いましょう。 「れいむ、れいむ」 「ゆあ!? うるざいっで──」 「ゆっくり死ね!」 れいむの横っつらに、トゥキックをブチ込んでやった。 「ゆぎょびゅっ!」 宙を舞って、ぽよよん、と地面に激突するれいむ。 俺はまりさの方をちらりと見下ろす。 「ゆう……。れいぶ…? れいぶううう!?」 よし。 ダメージで動けはしないものの、妻の身を案じる余裕はあるみたいだな。チミ、なかなかタフなのね。 「ゆふーっ! ゆふーっ!」 顔を上げると、鬼気迫る表情に磨きをかけ、親れいむが起きあがっているのが見えた。 髪の毛も逆立たんばかりに全身から怒気を発している。 すげえな。 ドスクラスならいざしらず、普通のゆっくりとは思えない迫力だぜ。 おちびちゃんたちを殺されたのが、そんなにも悔しかったんだね。プププッ! 「わがったよ……。先におにいざんがら『せいざい』しであげるよお!! おぢびぢゃんのかたぎいいいいい!!」 突っ込んできた! と言っても、所詮はゆっくりの突撃。 俺は楽々空中で撃墜する──いわゆるボレーシュートの格好だ。 「ゆぎゃっ!」 カウンターを受け、突っ込んできた勢いそのまま、地面に向かって吹っ飛ぶれいむ。 よし、ここで追撃! 俺は軽やかなステップで親れいむに近づき、 「ゆっくり死ね! ゆっくり死ね!」 親れいむを蹴りまくる。 もちろん、十分に手加減したキックだ。 簡単に死なれてもつまらないしね。 キック! キック! キック! 「ゆぐっ! ゆぐっ! ……ごろずっ! ごろずううう!!」 キック! キック! キック! 「ごろ……じゅっ! ゆばっ! ゆぼっ!」 手加減していても、親れいむにはかなりのダメージだ。 「ゆぎゃおおおおおおおおうっ! ぎゅぎょおおおおおおおお!!」 まん丸だった体は不格好に歪み、肌色の表面が黒ずんできた。 歯は何本も折れ、口や、ところどころ破れた皮膚からは餡子が漏れている。 「ゆぎゃっ! ゆぎゃああっ!!」 お、あにゃるからも餡子が出てきたぞ。 それでもキック! 「ゆがあんっ! ……もういやじゃああ!! やめでっ! やめでえええええ!!」 お? 「ゆええええええん! れいぶ、もうおうぢがえるうう!!」 折れた! 日の光よりも優しく暖かく、海よりも深い母の愛を、怒りを、プライドをへし折ってやったぜ! 「いぢゃいよ、いじゃいよおおお!! どぼじでこんなごどするのおおおおおお!?」 半分塞がった目から滝のような涙を流す親れいむを見下ろすと、自然と口元が緩む。 くう~、この征服感! たまんねえ~! 「おにいさん! やべてあげてね!! やべてあげてね!! れいむがいたがってるよ!!」 ……旦那が何か言ってるぜ。 ったく。いい気分に水を指すなよなあ。 八つ当たりで親れいむを蹴ってやる。 「ゆびゃあ!! いだいっ! もうやめでよおおおおおおお!!」 さっきよりずっと手加減したのにこの痛がりよう。 「ゆんやあああああ!! もういやじゃよおおおおお!! ゆっぐりさせでよおおおお!!」 もう完全に屈したな。 次は、と。 俺は仰向けになった親れいむに覆い被さるように、膝立ちになる。 「もうやべでよおおおおお!! れいぶなにもわるいごどしてないでしょおおおお!?」 右拳を固く握りしめ、親れいむに打ち下ろす。 「ゆぼっ!!」 間髪入れず、今度は左拳。 「ゆぼぼっ!!」 右と左、両の拳を次々と親れいむの全身へ。 「ゆぎゅぎゅ……やめでっ! ぎゅぶっ! もうやべでっ!」 ゆっくりの柔らかい体は、実に殴り心地がよい。 「ゆぶっ! おべべっ! がぎゃっ! でいぶのきれいなおべべがあっ!」 右目が弾けた。 潰れた目玉が眼窩からどろりとこぼれ、俺の拳を汚す。 この感触もたまらないね。 「ごべんなざい! ごべんなざいいいいいい! まりざたぢがわるいごどじだならあやばりばずがら!」 満足に動かせないであろう体を地面にこすりつけ、何を思ったのか親まりさが謝ってきた。 いやいやいや。謝る必要なんか全然無いよ。 むしろ俺が謝りたいくらいだ。 楽しませてもらってゴメンね~! 「いだっ! いいいっ! いだいっ! じょおお!!」 「まりざがあやばりばずがらっ! もうでいぶをいじめないでぐだざいっ!! でいぶがしんじゃいばずっ!!」 こんなに元気な声を上げられるなら──こいつも君も──まだ大丈夫だよ。 親まりさの見当違いな謝罪は、俺のテンションを上げただけだった。 思わず、 「はははははは!」 声を上げて笑ってしまう。 「ゆぎゃっ! ぼうっ! やべでっ!」 「おにいざん! やべでぐだざいっ!!」 ああ楽しい。 拳が伝える感触が、次第に鈍いものへと変わってきた。 かなり手加減しているとはいえ、もともと規格外の脆さを誇るゆっくりだ。さすがに限界なのだろう。 俺も調子に乗って、やり過ぎちゃったし。テヘ! 「ゆべ……ゆべ……ゆべ……」 「ゆゆ、れいぶう……。ゆっぐりじで、ゆっぐりじでいっでね……」 二匹とも元気がなくなってきたな……。 俺はさっきより強めに親れいむを殴る。 「ぎいっ! いだい……いだい、よお……」 「さあ、れいむ! 泣け! 叫べ! そしてえッ──」 親れいむの体をむんずと掴み上げ、小脇に抱えて土手の坂を駆け上がる。 俺に抱えられながら、 「おそら……んで……みたい」 死にかけてるくせにお約束のセリフを言ってくれる親れいむ。律儀だ。 「れいぶっ!? れいぶをつれでいがないでえっ!!」 おっと、せっかくだからお前にも来てもらうか。 俺は坂の途中でユーターン。親まりさに駆け寄る。 かわいい奥さんの最期くらい、ちゃんと目に焼きつけておきたいだろう? 慈悲深い俺がそう思いながら片手で親まりさを持ち上げると、 「ゆゆっ!? まりさ、おそらをとんでいるみたい!」 これまた約束のセリフ。 ほんと律儀だねえ。 「ゆう。おにいさん、まりさたちをゆるしてくれるの……?」 律儀というか、ただのバカか。わかってたけど。 「もうおうちにかえして──」 「さ、着いたよ。まりさ」 坂を登り切り、目の前の広い車道を見渡す。 ありゃ、来た時より交通量減っちゃってるじゃん。 車こないかなあ、っと。 親まりさを地面に下ろしてやる。二匹抱えてると、ちょっと腕が痛いや。 「おにいさん、れいむもおろしてあげてね! すーりすーりしてあげたいよ!」 「おっと、まりさ。道路に出たら危ないよ」 けなげな親まりさ──自分だって動くこともままならないくせに──を制し、俺は親れいむを抱えたまま道路脇に身を屈める。 「ゆゆっ! れいむ! もうだいじょうぶだからね! おにいさんはゆるしてくれたからね!」 「……ゆ、ばり……ざあ」 俺が中腰になったせいで近づくことができた愛しい妻に、夫が話しかけた。 表情も明るくなっている。 親れいむの方は──もう表情もクソもないっつーの。 まあ、これが最期だ。しっかりお別れを済ましておきたまえよ。 「れいむ! はやくおうちにかえってゆっくりしようね!」 二匹の会話──親まりさの独り言──を聞きながら、俺は車道に目をやり、車の行き来を眺める。 そして、親れいむを両手で持ち、胸の前に構えた。 タイミングが大事だ……。 まだよまだよ……。 「れいむ! まりさがいっぱいたべものとってくるからね! すきなだけむーしゃむーしゃしていいからね!」 ……よし! 俺はさっきの続きを叫ぶ。 そしてえッ── 「ゆっくり死ね!」 親れいむを、車道の上に転がした。 「……いぶ、こー……ろ、こー……」 「ゆゆ!? しゃどうさんはあぶないよ、れいむ!!」 やべっ! ボコりすぎて丸とも四角とも言えない体になってるせいで、いまいち転がりが悪い! もうちょっと! もうちょっと先まで! 俺の願いも空しく、中途半端な場所で止まってしまう親れいむ。 「ゆっくりもどってえええええ!! こーろこーろはゆっくりできないいいいいい!!」 いやあああ! もっとこーろこーろしてえええええ!! ……ええい、時間がない。俺はそそくさと車道に飛び出し、 「えいや」 絶好の位置まで親れいむを蹴飛ばした。 急いで道路脇まで戻って身を潜める。こそこそ、っと。 「おにいざんなにじでるのおおおおおおおお!?」 へいへい、そのセリフは今日何度目だっけね? 親れいむから目を離さずにそんなことを考えた時。 俺たちの目の前を、1台の軽自動車が駆け抜けた。 ぐちゃ、っという音が聞こえたのは俺の錯覚だろうか。 親まりさは目を見開いている。 その視線の先には──真っ黒い華が咲いていた。 ……なんつって。早い話が、ぺしゃんこになった親れいむですよ。 うっし、なかなかの芸術作品! 80点は堅い! 絵的にはダンプとかロードローラーの方がビシッと決まるんだけど、そんなもんはそうそう走ってないしね。 今日はこれで良しとしよう。ふう。 お、遠くに甲高いクラクションが聞こえる。 はは、ありゃさっきの軽だ。 さしずめ「汚えもん踏んじまったぜ! けっ!」ってとこかな。 さあて、まりさちゃん? かわいい奥さんが最期に残したあの前衛アート、どう? どう? 「…………」 親まりさは、車道の黒い染みを凝視したまま固まっていた。 「なあなあ、まりさってば」 「…………」 呼びかけても指でつついても、完全にノーリアクションだ。 「まりさちゃんってばあ。なあ、あまあま食べる?」 その時、親まりさが俺に顔を向けた。 おお、完全に目が据わっている。 これはくるか? さっきの親れいむのように、キレて突っかかってくるか? くるなら来い! 殴り足りないと思っていた所だぜ! そんな俺のやる気は、 「……ゆっくりのひ~、まったりのひ~」 親まりさの口から発せられる、調子っぱずれな歌声でそがれてしまった。 「ゆゆゆのゆ~、ゆっくりゆっくり~、ゆゆゆのゆ~」 あらあらまあまあ。 心身ともに打ちのめされて、頭の中がお花畑に逃避しちゃったよ。 「かわいいかわいいおちびちゃん~、ゆゆゆゆゆ~」 こいつらのちっぽけな餡子脳は、状況を処理しきれなくなるとすぐに飛んでしまう。 死ぬほどの恐怖を味わった時なんかは特にそうだ。 例えば、さんざん甘やかされて育った飼いゆっくりなんかが、捨てられて一時間もしない内にパーになっちまうことも、決して珍しくはないのだ。 こんな風になったゆっくりを、俺は今まで何度も見てきた。 それにしても── 「ちっ。つまんねえの」 俺は吐き捨てた。興ざめだ。 「ゆっくりぷれいすで~、す~やす~や~」 親まりさは下手くそな──いや、ひょっとしたら上手いのかもしれない──歌を続ける。 そのうち俺に背を向け、フラフラとした足取りでどこかに歩き始めた。 「みんなでゆっくり~していって~ね~」 ああなっちまったらもう長くはないな。 俺が手を下すまでもねえぜ。 じゃあな、優しかったお父さんまりさ。今日は楽しませてもらったぜ。 俺はフッと笑い、家路に── ──なーんて言うと思ったあ? 遊んだ後の後片付けはキッチリと。子どもの頃、そう教わりました! 振り返った俺は親まりさに向かってダッシュ。そのまま親まりさを蹴る。 「げっ!」 ほどよい距離にぽよーんと転がる親まりさ。 それを追いかけて、また蹴る。 「ぎょっ!」 延々とこれの繰り返し──要するにサッカーのドリブルだ。 親れいむに派手にやられて所々へこんでいるので、思った方向に転がらない時もあるけど、まあこれはこれで楽しい。 さあて、今度こそ帰ろうかな。 足元の歪なボールを強めに蹴る。 「ちょっと、あれ~見な~」 我ながら音程をはずした、でも決してゆっくりほど下手ではないメロディを口ずさみながら、俺は今度こそ家路についた。 (了) 挿絵 by車田あき 以前書いたもの…… ふたば系ゆっくりいじめ 525 犬 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ここはまさにその「感想を垂れ流す」ところじゃあないの? それはともかく、お兄さんがキモいの一言に尽きるSSでしたね -- 2013-06-23 23 11 59 ↓6 お前、特徴的な文体だからすぐわかるぞ。 色んなSSできもい感想垂れ流してる粗大ごみめ。 -- 2012-06-14 08 36 32 どうでもいいけど他人巻き込むなよ -- 2011-10-01 21 04 15 このお兄さんはあえて善良を虐待するタイプかな -- 2011-09-28 20 01 16 やっぱり車道にゴミ出すのはなあ…… 他人を巻き込まずにやってほしかった -- 2011-05-10 00 38 16 めちゃくちゃ面白かったですwww -- 2011-02-27 23 02 30 テンプレ イズ ベスト -- 2011-01-21 22 32 27 す、すっきりー!!とてもゆっくりできました! 私も子まりさの泣き声を聴きたくなりましたw ↓↓↓↓↓↓はあ?虐待も特に変わったことをしてないだと? テンプレ イズ ザ モスト ビューテフル!って言葉を知らんのか! テンプレとは偉大なる先人が残した英知の結晶なんだよ! 例えば足焼きだって初出では変わった虐待の一つだったが あまりにも優れていた為にみんなが使い、テンプレに組み込まれたんだよ! 飼いゆが野良ゆと勝手に番になって捨てられる展開だってそう! 野良ゆが勝手に人間の家に忍び込んでお家宣言する展開もそう! みんな優れていたからテンプレになったんだよ! 他のSSと違う事をすればいいってもんじゃないんだよ! 逆に優れたテンプレを上手に使いこなしたSSの方が面白いんだよ!! -- 2010-12-17 05 34 46 道路にゴミ捨てんなよ。ゴミはゴミ箱になー 中々読めたけど、ちょっとだらだらが続いたねー -- 2010-10-14 18 35 08 >最後ちょっと寄り目になってたぜ、あいつ! うわあ俺も見てえぇぇぇ -- 2010-09-01 13 01 01 車道にでかいゴミを捨てるのはマジやめてくれ -- 2010-08-29 00 01 25 車がスリップしたらどうすんのよ -- 2010-08-21 11 22 12 このキモいお兄さん、オレのツボにはまったw -- 2010-07-26 00 20 59 長いくせにストーリー性が無くて、ダラダラ感で読後に疲れるだけだ。 虐待も特に変わったことをしてないし。正直…つまらない。 -- 2010-07-01 23 44 45 よかったー お兄さんまりさを見捨てると思っちゃったよw やっぱり最後まで面倒みないとね! -- 2010-04-18 22 37 18 お兄さんがきもい -- 2010-03-09 18 32 46
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1033.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 487 罪/コメントログ」
https://w.atwiki.jp/marowiki002/pages/263.html
目次 【概要】カレゴリー 詳細いじめっ子正義感の強いタイプ 保身タイプ 嫌がらせタイプ いじめらっれ子 流れ第一段階 第二段階 第三段階 対策案 【参考】ソース 関連項目 タグ 最終更新日時 【概要】 カレゴリー 独自研究 社会 詳細 いじめっ子 複合型あり。 正義感の強いタイプ 問題意識の強い。 問題の解決の仕方に問題がある。 いじめという意識は皆無。 特に自分が正しいと思い込んでる。 周囲から慕われてる。 普段の行動はいいので周囲に信頼されて発言力・影響力が強い。 説教や更生のつもりだろうが越権行為だったりする。 保身タイプ 普段は傍観者。 いじめられっ子と接するときに、根拠のない排他的な行為をする。 嫌がらせタイプ 遊びでやっている。 反撃・報復してこない相手を選んでいる。 陰湿。 いじめらっれ子 はっきりとは分からないが最初の段階でいじめられっ子のにも何かしらの問題がある。 少なくとも自分の場合は、なにかしらの問題点・過失があった。 より具体的に分類する場合は、色々なタイプをいじめてきた人に聞くしかないように思う。 流れ 第一段階 正義感の強いタイプが間違った問題解決をすると発生。 この段階ではいじめられっ子の方にも非がある場合がある。 第二段階 保身タイプのせいで孤立させられる。 この段階でいじめられっ子には非がない。 第三段階 嫌がらせタイプが孤立して弱っている相手をいじめ始める。 ここまでくると進級・進学してもいじめ情報が共有されて嫌がらせしてくる。 対策案 高齢者をボランティアやバイトで雇って、校内を巡回してもらう。 ボケ防止とかにも有効? 【参考】 ソース 俺。 関連項目 項目名 関連度 備考 創作/某国の諸問題一覧 ★★★ 創作/家族就学就労システム ★★★ タグ 社会 最終更新日時 2013-03-25 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/kobetakigawa/pages/163.html
このページは天王寺とフットサルOUR辞書晒しまでの2chスレ、英文名無しリーク(遺書とメモ)と連動しています。 http //tmp7.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1190659979 553 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 01 07 48 ID 6u6lgCST まあ、喧嘩売られるのが分かっていたはず。 何処からか無理やりやらされてたのがバレバレ。w この過疎スレに挨拶残していくほどの余裕をみせたってとこか。 557 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 19 49 28 ID 6u6lgCST ああ、何かやっぱりやりきれない気持ちがする事件だな。 何か底なしの闇を覗いた気がする。いろんな要素が混じり合って どこでどのように繋がってるかもよく分からない。 全てが明らかになったときどんな記事タイトルになるのだろう? 559 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 20 12 22 ID 6u6lgCST 【神戸震災の後遺症癒えず】 【学園都市は静かに病んでいた】、【神戸驚愕のイジメ、犯罪】 【主犯グループはある中学校の出身者が中心!】 【有名私立高校、複数の運動部生徒も暴力的イジメを繰り返していた!】 【有名校の隠蔽体質・・・生徒のイジメも見てみぬふり、教育現場の悲惨】 【複数のイジメグループがネット上でミスリード合戦】 560 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 20 18 52 ID 6u6lgCST 才能が無いな!やめよう。 政治、兵庫財界、教育、癒着、高校生の性、イジメ、受験、差別・人権・・・・ ごまんとキーワードが出てくる。 果たして全てが明らかになるのだろうか? 561 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 20 53 51 ID 6u6lgCST あっ。口裏あわせてた一枚板のグループが仲間割れたしたようだ。 危険だ。警察は彼らの居場所を把握してるのか?血の雨が降らなければよいが。 563 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 21 25 08 ID 6u6lgCST 主犯の大山寺グループが割れた。 詳しい事は私が間違っているかもしれないし、ミスリードかもしれないから云えない。 また、捜査のじゃまになってはいけない。 キジョ板はグループ全員がみてるのは確か。生徒と思われるカキコだけに注目しよ。 キジョの想像は無視せよ。 565 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 21 51 56 ID 6u6lgCST 564 私のことか? >加害者でない人たちを批判する 誰の事? 566 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 00 32 ID 6u6lgCST なるほど。あなたがどういう人か検討がつきました。 567 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 01 08 ID jpXzI9b5 なんで現役高校生がわざわざキジョ板に集まるのか謎 568 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 05 42 ID 6u6lgCST それは、分からない。 もしかしたら、あの口調でとことん相手してくれるからかも。 年上のお姉さん、或いは、母親願望かも。 569 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 22 50 ID 6u6lgCST おもしろいカキコだ。興味深い。 PCの遺言にはおどしていた名前があったのか。 the name of the person theはどう考えたらいいんだろう。 日本人の書いた英語であることは間違いない。 570 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 47 40 ID 6u6lgCST 一番に警察が逮捕したから、彼であることは検討がつくが。 何をするために現われたのだろう?なんのメリットがあるのか。 571 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 51 06 ID BneEMvDu Various threads are observed now. Please examine that photo where the student enclosed the cake closely. Some photos of futsal also. If some photos are collated with an important log, the answer will be found. 572 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 22 54 49 ID 6u6lgCST 571 やってみましょう。急用が入ったので、時間がかかるかもしれませんが・・・ 574 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 23 19 02 ID BneEMvDu ID 6u6lgCST I think that you are a person who classified those students into 3 groups. It is not possible already to write it in usual writing excluding the specified student. For instance, Hankaku-kun. There are 4 students who are called Hankaku-kun that I know. 576 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/03(水) 23 24 14 ID 6u6lgCST 574 するどい方だ。 了解。 578 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 00 11 28 ID N78SiHYx First, sort it in date. How to examine information in the photo, please question with the news4vip. For, there is a person who judges the photo in the news4vip. Next, clip the students of the photo. Then, please look at the photo seriously. 579 名前: 最低人類0号 [sage] 投稿日: 2007/10/04(木) 00 59 04 ID ZO/QlmLU 578 Thank you for speaking. What is news4vip? Please give the hint to me. 580 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 01 03 29 ID N78SiHYx 579 神戸・滝川高校いじめ(他殺) 逆スネーク★21 http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1191399093/ 581 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 01 10 16 ID N78SiHYx 579 cf. http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1191140272/367 583 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 01 22 35 ID aJj4Kfu6 今、帰宅した。今からチェックしてみよう。 私は目が少し悪いし、画像処理は得意としないが・・・ 今から画像を見てみよう。 次のレスはご指定の場所で。 590 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 15 54 44 ID aJj4Kfu6 578 私はあなたのゲームには参加しないことにした。 誰にとってメリットになるか、不確かだからだ。 私は目立ってしまったようだ。 私はこの板の住人ではないし、まして書き込みをしたのは ふとしたきっかけ。以後、この板は書き込みもしないし、見ない。 私を演ずるものがあったとしても、私ではない。 いじめの構図が明らかになり、二度と繰り返されないことを願っている。 592 名前: 最低人類0号 投稿日: 2007/10/04(木) 18 37 32 ID XBhzXz5E cf. http //sports11.2ch.net/test/read.cgi/amespo/1127909775/289 289 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2007/10/04(木) 17 30 33 ID VAWPut// 277 ヘルメットで太ももド突いたりしてたぞ あとは、エンドレスでアジリティやらせてた。 This is true.
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2349.html
おひさまさんをつかんでしまった 7KB パロディ 小ネタ 悲劇 飼いゆ 野良ゆ 愛護人間 雰囲気モノ 二行作 【はじめに】 今回は、雰囲気モノです。 説明不足とも取られる描写がありますが、仕様ですのでご了承下さい。 【本編】 『おひさまさんをつかんでしまった』 (作・二行) 太陽をつかんでしまったまりさは、ライオンの付いたプールで死んでた。 まりさは野良ゆっくりだった。 同じ境遇のありすと一緒に、つつましく暮らしていた。 初めておちびを授かった時の感動を、まりさは忘れない。 そんな何ものにも換え難い宝物は、野良猫があっというまに連れ去ってしまった。 悲しみに押し潰されそうになりながら、2匹の饅頭は街をさまよう。 いつのまにか、まりさは宙に浮いていた。 振り向けば、大きな大きな人間さんの腕。 無駄を承知の抵抗。慟哭するありす。 覚えているのは、そこまでだ。 華やかなカーペットの上に、雲のようなソファーが敷かれている。 自分がそこに寝かされていたことに、まりさはようやく気が付いた。 頭を起こすと、瞳の先に広い芝生。 穏かな風、美しい泉、整備された花壇。 まるで楽園のような光景を目の当たりにして、まりさの餡子は硬く震えた。 これは人間さんのおうちだ。野良がここに入れば、生命はない。 まりさは逃げることさえ諦めた。 頭をふかふかさんに突っ込む。 ずっとゆっくりさせられる前に、せいぜい目の前のゆっくりを楽しもう。 尻丸出しのまりさに、ゆっゆっと呼びかけるものがいる。 再び頭をもたげると、目の前にいたのは楽園の素敵な饅頭。 見たこともないほどの美れいむだった。 まりさは知るよしもないことだったが、ここは気の毒な金持ちの家だった。 何が気の毒かといえば、有り余る財産をゆっくり如きに費やしていたからだ。 ある時は、ゆっくり型のカラクリ時計を街に寄贈したり。 ある時は、ゆっくりの群れがいる山を買い取り、愛護団体に預けたりしていた。 そんな彼が一番大事にしていたのは、丹精込めて育て上げたれいむだった。 湯水の如く金を注ぎ込んだ甲斐もあり、品評会では信じられないほどの値が付いた。 勿論、金持ちにれいむを売る気はない。 大輪の薔薇を思わせるリボン、黒い絹を思わせる髪の毛、聖母のようにふくよかな頬。 何より慈悲深くものどかな性格が、男の気持ちをつかんで放さなかったのだ。 れいむは通常種とは思えないほどの謙虚さを保ち、我儘など口にしたこともない。 しかしたった一度だけ、自分の希望を金持ちに打ち明けた。 飼い主と車に乗って出かけた時に見かけた、野良まりさ。 そんな貧乏ゆっくりに一目惚れしてしまったのだ。 出来れば、あのまりさと一時で良いから一緒にゆっくりさせてほしい。 そんな細やかな願いであった。 金持ちは親馬鹿の常として、過剰に反応した。 即座に野良まりさを拉致し、最高級のクリーニングを施した後、家に連れてきたのだ。 そんな黒饅頭は今、ゆっくり用ソファーに頭を突っ込んで震えている。 れいむの呼びかけでようやく身を起こしても、どこかオドオドとしていた。 金持ちはそんな光景を、微笑ましく眺めている。 今から2匹は番だと告げられた時、美れいむも野良まりさも困惑した。 だが、美れいむの表情はすぐに紅潮する。 末永くよろしくお願いします。 おおよそゆっくりらしからぬ求婚の言葉を、まりさは跳ね除けることが出来なかった。 こうして、野良まりさは飼いゆっくりとなった。 それも愛護セレブの下で、美れいむの夫としてである。 まりさは生涯に渡るゆっくりを約束されたのだ。 まるで太陽を手中にしたかのような僥倖であったに違いない。 太陽をつかんでしまったまりさは、太陽から手を離したくなかった。 まりさは1匹で過ごすことが多かった。 美れいむはセレブの飼いだけあって、パーティーなどに引っ張りだこだったのだ。 番とはいえ、まりさの出番はなかったし、行きたいと思ったこともなかった。 美れいむとまりさには、小さいながらも家が与えられている。 屋敷の中に建てられた、庭付き一戸建ての豪勢なゆっくりプレイス。 道楽の極みであった。 よくまりさは、庭にあるプールの側でゆっくりしていた。 プールには常に花びらが浮かべられて、鮮やかな色彩を湛えている。 時折まりさは、帽子に乗って遊泳をしたりする。 それを美れいむが、ことのほか喜ぶからだ。 留守番まりさは、今は泳ぎ回ることもなく、ひなたぼっこをしている。 プールの端には一段高いところがあって、そこが黒白饅頭のお気に入りであった。 水上の花びらが気ままに泳ぐ様を見下ろす。見ていて飽きない。 プールの真ん中にはどういうわけか、大きなライオンの半身像がある。 マーライオンよろしく、獅子の口からは水が絶え間なく流れ落ちていた。 大きな顔をしたそれもまた、まりさには好ましく思えるのだった。 ライオン像の向こう側には、生垣がある。 厳重な塀ではない。その気になれば抜け出すことも可能だろう。 今の暮らしを、あのありすはどう思うだろう。 かつての番を、まりさは忘れてはいなかった。 いっそこっそり迎えに行こうかと思ったことも、ある。 思い出すのは、野良としての毎日。 人間、動物、同族、環境、天候。 全てが明確な敵意を持っていた。 もしあの生垣を越えてしまえば、2度と帰ってこれないかもしれない。 そうなったら、またあの頃に戻ってしまうのだ。 この庭から、出られるはずもなかった。 太陽をつかんでしまったまりさは、どうしてもそこから動けずに立ってた。 穏かな昼下がり。まるで、この家に来た日を思い出す。 空の太陽は遥か高みにあり、幸福を手に入れたまりさを照らし出していた。 ライオンの右肩越しに、花壇が見える。 以前なら、餌場としか見ることが出来なかっただろう。 毎日ゆっくりとしたご飯を頂いている今では、自生する花は景観でしかない。 整備された花々の名前を、まりさは知らない。 美れいむは知っているようで、ひとつひとつ教えてはくれたのだが。 それでも、まりさは思う。 どれかの花が抜かれて仲間達と別れることになれば、泣いたりするんだろう、と。 飼いまりさは、番を思い浮かべた。 ありすではない、美れいむの方を。 確か今日は、飛行機というものに乗ってパーティーに向かっているはずだ。 飛行機は、どこまでも高く、お空を飛んでいけるのだという。 まりさは、別段それを羨ましくは思わない。 今以上のものを、望みたくもなかった。 風がいつもより強く吹いたようだった。 自分が空を飛んでいる気がしたのだ。 いつのまにか、まりさは宙に浮いていた。 飼い饅頭は仰向けの姿勢で空を見つめる。 きっと、後頭部の下にはプールがあるのだろう。 自分の上に、ありすがいた。 突き飛ばされたのか。 逆光でその表情はうかがえない。 見慣れたカチューシャだけが、僅かに確認できた。 赤いお飾りが震えている。 そのことが、何故ここにありすがいるかということよりも、心に残った。 最期にまりさの中身に浮かんだのは、家族のこと。 ありすと、2匹のおちびに囲まれた、あの頃の夢。 激しい水しぶきが上がる。 深いプールに2匹が沈み、形を失っていく。 かつて愛し合った2つの生命が、1つに溶け合って結び合う。 それはゆっくりに許された、数少ない至福であったのかもしれない。 まりさには意識も生命も残されてはいない。 僅かなシミだけを水の底に残し、やがてそれも排水口へと消えていった。 お帽子だけが名残のように、優しく浮いている。 陽光のような花びらに囲まれて、ゆらり、ゆらり、ゆらり。 太陽をつかんでしまったまりさは、ライオンの付いたプールで死んでた。 (終) 挿絵 byめーりんあき 【過去作】 ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 1059 でか帽子まりしゃと姉まりしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 1055 さげゆん ふたば系ゆっくりいじめ 1019 餡娘ちゃんに花束を ※カオスVS鬼威惨 次回作頑張って近日 ふたば系ゆっくりいじめ 947 はげの復活(上) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※どろわ&ぬえ draw006 「パラダイゆch」 nue079 「素晴らしき世界」 nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあき、感謝。 二行の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る He got the sun -- 2016-08-14 00 35 45 ありす、、、、、、、、、 強し -- 2013-07-17 21 00 33 人の飼いゆっくりを殺すとは何とゲスなアリスだ!!(棒) -- 2011-10-30 22 30 47 ・・・MGEか?>ミッシェルの唄だね。 -- 2010-11-29 21 49 41 どうやって侵入したんだろ? なんか映画みたいな雰囲気だね。 -- 2010-07-26 02 22 26 ありす… -- 2010-07-20 02 31 45 ・・・MGEか?そうなのか!? -- 2010-07-12 22 33 08
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2587.html
風の流れる街 35KB 虐待-普通 制裁 観察 悲劇 自業自得 家族崩壊 駆除 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 都会 現代 独自設定 羽付きシリーズ 「風の流れる街」 羽付きあき ・人間視点とゆっくり視点が混ざっています ・観察物 ・独自設定を幾つか混ぜております 春も目前と言ったこの季節。最後の寒波も終わり、肌寒くもあるが暖かい風が時折吹くような風が頬を撫でていた。 ・・・ゆっくりにとって厳しい冬はもうすぐ終わりを迎え、暖かな春、ゆっくりとした夏。そして秋へと季節は緩やかに揺れ動いていく。 街にも四季はある。街ゆっくり達も当然それぞれの季節にそれぞれやるべき事があるのだ。 私はこれまで幾度も疑問に思っていたことがある。 それはこの季節になるとふと記憶の奥底から微かに頭をよぎるのだ。 この街では、いや、どこもそうらしいが街ゆっくりは山野に行くことがない。 よくあることだが、山野のゆっくり。特にドスが無計画にゆっくりを増やしに増やして山や森がそのゆっくりの分まで賄える恵みの限界が来たときに、その場所を捨てて別の所に移動したりする。 ・・・そんな群れはあっという間になくなる。人が手を加える間もなくゲスゆっくりが増長して、またはドスにかかる負担が大きすぎて・・・または他の山の群れのドスとの縄張り争いに敗れ、様々な理由で数を減らし、そして消えてゆく。 だが、街にドスはいない。いたとしても山野で見かける2~4mもあるような大型なものではなく。せいぜい80~120cm程度。 ドススパークやゆっくりオーラすらも使えない。ただの大きいだけの饅頭が極稀に現れては「まちのけんじゃ」を自称するぱちゅりーの甘言に乗せられ、どこかに乗り込み、あっという間に駆除される。 ましてや群れ等街のゆっくりは殆ど作らない。多少例外はあり、「地域ゆっくり」として纏まっている所もあるが、そこはちゃんとすっきりをコントロールしたりして決して貪るだけ貪るような事はしないのだ。 ドスを見た事がない街ゆっくりですらも餡子の奥底に記憶があるのか「ドスと森」についてどこはかとなく知っている節があるようだ。 街ゆっくりからすればドスが治める楽園の様なゆっくりプレイスは魅力的なはずだろう。 痛んだ何かを食べてカビで溶ける事もなく、夏場は照り返しと直射日光でカピカピの乾燥饅頭になる事もない。 車に踏みつぶされ、鬼意山に叩き潰され、身を切るような寒さにおびえ、汚れからくるカビに怯える。 それなのに決してこの街から出ようとはしない。・・・逆に考えれば街ゆっくりはここでしかその居場所がないのだ。 ・・・反対に山野から街に入ってくるゆっくりは極端に多い。 往々にして春に入ってくるそれらのゆっくりは「とかいは」「ゆっくりできる」と言う幻想を抱いてやってくるらしい。 ありす種の様に「とかいは」に対して強い関心を持っているゆっくりならば尚更魅力的に映るのだろう。 多少想像ではあるがこういった感じだろうか? 毎日毎日、見慣れた場所で見慣れた事をするだけの日々。 ドスがいかにゆっくりできると言っても、いざ上に居ればうるさいだけだ。 すっきりの時期すら決められ、食料はその半分をドスの洞窟に入れなければならない。 いざという時のための食料なんて言っているが、今の今までそんな事は起こった事もない。 そのくせ、冬籠りは各々で勝手にやれという。冬は一歩も出れないというのに洞窟の食料はどうやって配られると言うのか。 そんな山野にゆっくり達からすればとても自由で、驚きと「ゆっくり」にあふれた街というのはかなり「とかいは」なのだろう。 ドスや群れに嫌気がさした、またはもっと「とかいは」で「ゆっくりとした」場所に行きたい。 そしてこの街という舞台に舞い込んでくる。そう、まるで光に集まる虫達の様に。 あと少しでそんな山野のゆっくり達がやってくる。その前に少し変わったゆっくりを見た。 私があの時、羽付きと見たのは「とかいは」な幻想に導かれて街から出て行こうとした一体のありすの顛末である。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 街ゆっくりに厳密な越冬はない。 冬でも食料を探しにこうと思えば行けるし、出歩いても雪に埋もれて溶ける・・・なんて事は殆どない。 なので春を前に控えた季節にもなると結構なゆっくりが少し早めに越冬を止めて活動を開始する。 羽付きや「地域ゆっくり」は越冬など全くせずに冬の間はずっと街を歩き続けている。羽付きも例外ではなく、その脇で他にも色々と仕事をこなしていたようだ。 街で越冬のために籠るメリットはハッキリ言って薄い。だがゆっくりは四季のサイクルの中にそれを定義づけている。受け継がれた遠い山での記憶なのだろうか 公園の中に入ったあたりであろうか?一体のありすが羽付きと私の前にボヨンと跳ねてやってきた。 羽付きが明らかに怪訝そうな顔をしている。私もでいぶやゲスの類かと勘繰っていた最中、そのありすは口を開き始めた。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 羽付きの顔がピクっと微かに動いた。何か遠い昔の嫌な思い出でも思い出すかのように。 「・・・ゆっくりしていってね」 「ま、まりさ。ゆっくりありすのおはなしをきいてちょうだい!」 ありすが声を上げる。ゲスやれいぱーの類ではないようだ。だが・・・ 「いやだぜ」 羽付きが一言呟くように言った。 それを傍目に見ながら私は思う。 羽付きがありす種に対して何らかの過去があるのはわかるが、話も聞かずに突っぱねるのは今まで見たこともなかった。 そう思っているとありすは羽付きにすり寄り、こう切り出し始める。 「す、すーりすーり!まりさはとってもとかいはね!ゆぎゃっ!」 すーりすーり、それはゆっくりにとってコミュニケーションの一種だ。だが、初対面のゆっくりにするにはあまりにもなれなれしすぎる。 普通のゆっくりなら良い顔はしないだろう。だが羽付きの態度は明らかに過剰であった。 「さわるな!!」 羽付きがすーりすーりをするありすを体当たりで弾き飛ばしたのだ。 ありすはコロンと一回転回って吹っ飛ぶ。カスタードクリームを少し漏らしたがそれでも羽付きに媚を売り続ける。 「と、とかいはなまりさにおねがいがしたいの!はねのついたまりさはとってもとかいはだってきいたから…ゆ!?」 「とかいはとかいはってさっきからうるさいんだぜ!いきなりすーりすーりをするようなありすにするはなしなんてないんだぜ!」 ・・・かなりイラついているようだ。確かに明らかにこんな下手に出られた上に馴れ馴れしくされれば怪しむ以前に怒るだろう。 だが、流石に見かねたので私が羽付きに声をかける。 「やりすぎじゃないかい?話だけでも聞いてあげたら・・・」 それを聞くや否や羽付きは声を荒げて私にこう反論した。 「こんなありす。はなしをきかなくてもなにがもくてきかわかるんだぜ!どうせしょくりょうめあてで"ありすとずっといっしょにゆっくりしようね"ってすりよるかにんげんさんにとりいってありすをかいゆっくりにしてねだとかそんなはなしだぜ!もううんざりなんだぜ!そういうことはっ!」 「違うかも知れないじゃないか。そんな目的ならとっくに別の所に行ってるだろ?羽付きはゆっくり同士の話も聞いてるって言ってたじゃないか」 それを聞くと羽付きは帽子を目深に下げて暫くじっとしていた。その動作で冷静さを取り戻そうとしているかのように私の目には映った。 やがて上を向くとありすにこう言った。 「・・・さっさとこびをうるまえにまりさにはなしをするんだぜ」 ありすの顔が明るくなる。そして話を始めた。 ありすの口から飛び出した言葉は、私の常識を覆すものであった。 「あ、ありすを・・・ありすをとかいはなどすのいるやまにつれていってほしいの・・・」 「どすの?」 「そ、そうよ・・・ありすはまえはぎんばっじのかいゆっくりだったわ・・・でも・・・」 ありすの寒天の両目から一筋の砂糖水の涙が零れ落ちる。 詰まりながらも説明を続けた背景にはこんな話があったと言う。 曰く、このありすは銀バッジのゆっくりとしてとても「とかいは」な毎日を過ごしていたらしい。 しかし、人間さん(飼い主の事だろう)のために毎日「とかいはなこーでぃねいと」をしてあげたのになぜか怒って捨てられてしまったそうだ。 街ゆっくりになった後、とあるまりさと番になり、4体の子ゆっくりが蔓から落ちたとありすは言った。。 子まりさ二体、子ありす二体と言った構成で、とてもゆっくりとしたとかいはな毎日を過ごしていたらしいが、それも冬の前までの話だったという。 ある日、まりさはあぶれゆっくりの居る餌場に行ってしまい、以降戻ってくる事はなかったという。唯でさえありすが狩りに行かない上に子ゆっくりが四体と言う負担が起こした悲劇であった様だ。 ・・・ありすの主観が強すぎるため掻い摘めばここぐらいまでしかわからない。 多少の創造での保管も入れるならば、恐らくこのありす、あまりよくない銀バッジだった様だ。 よくある話だが、ありす種と言うのは「こーでぃねいと」という概念がある。 ゆっくり視点でゆっくりできる場所に作り替えるというものだ。 ありす種の場合はそれが特に顕著で、よくわからないガラクタを飾りたてたりすると言われている。 「にんげんさんのためにとかいはなこーでぃねいと」と言って家中のものをひっくり返したりするありす種の話はよく耳にする。 金バッジともなればそれが迷惑な行為だとわかるが、それ以外ではその事がそもそも理解できない(理解できるならすでに銀バッジ試験の前に教えられている) なので、その筋で捨てゆっくりになってしまったんだろう。 最近のバッジシステムは結構いい加減なので銀バッジは特に上と下の差が激しいのだ。 慣れない狩りも手伝ってかどんどんジリ貧になっていったありす達は恐らく飼いゆっくりだった頃に聞いた「とかいはなどすのいるやま」とやらに活路を見出したというわけだ。 だが、私はありすのその言葉に驚いた。 そもそもこの街から外に街ゆっくりが出た事はない。 逆はあってもそれ以外はあり得ないのだ。 街ゆっくりは餡子の奥で秘かにわかっているのかもしれない。自分達が街でしか生きていけないという事を。 「どすのいるやま?にんげんさん、このちかくにどすがいるやままでいったいいくらぐらいあるんだぜ?」 羽付きが目だけを動かしてそう問いかけた。 私はざっとではあるが答える事にする。 「大体40kmぐらい。この街の端から端まで4つ分ぐらいだね。」 ・・・羽付きはその言葉聞いて暫く考えこんだ。無理だという事はどんなゆっくりでもわかる。 ・・・ゆっくりが長距離を移動する手段は大体が三つある。うーぱっく、すぃー、群れでの移動だ。 一番最後は論外だとして、うーぱっくはどうか?うーぱっくの速度は遅い。その上それ相応の食料が必要になる。うーぱっくに渡す分と自分の分を考えても現実的には無理だろう。 と、なると最後に残ったのはすぃーによる移動しかないが・・・ すぃーはスピードも速く、この街の端4つ分ならまっすぐ走っても10日程度で移動できるはずだ。 だが、問題はある。自分も人間さんもドスのいる山の正確な位置を把握してはいないし、態々行く義理もないのだ。「とかいはなどすのやま」なんて言っているが。 ドスまりさの群れがあった所で入れてくれる保証もない。どう考えても無理がありすぎる。 それにありす一体ならまだしも子ゆっくりが四体も・・・と来たものだ。 可能性は限りなく低いがありすだけならまだたどり着くかもしれない。ギリギリ考えても子ゆっくりは一体が許容範囲と言ったところだろう。 ならば言う事は一つだ。それに自分はありす種とあまり関わりたくはない。 「はっきりいってむりなんだぜ。ありすだけならまだしもおちびちゃんはどうするつもりかぜ?つれていけてもせいぜいいっこ・・・」 自分の言葉を遮るようにありすが口を開いた。 「じ、じゃあ、いちばんとかいはなおちびちゃんといっしょにいくわ!」 ・・・何を言っているんだ?このありすは 頭がありすの言葉を理解するのに数瞬かかった。 人間さんの顔をちらっと見る。表情はあまり見えなかったが驚いてはいるだろう。 バッジ付きのゆっくりが子ゆっくりを踏み台にするような事は殆どない。「ゆっくりする」事に重点を置いて考えるからだ。 「・・・ほんきでいってるのかぜ?あとのおちびちゃんはどうするつもりなのかぜ?」 「で、でもしょうがないわ!とかいはなどすのところにいくには・・・」 このありす。子ゆっくり一体を連れていけて成功率は100パーセントと思っている様だが・・・ 先にも言ったように100なんて夢のまた夢。せいぜい10回に一回と言ったところだろう。 それに街ですられみりゃやふらんが郊外からやってくるというのにこの街の外に出ればどうなるかの想像もつかないのだろうか? 雨だってあるし、捕食種の襲撃だってありうる。それほど過酷を極めるというのに・・・ それにドスまりさやその群れが受け入れてくれる保証がない。 「どすのところにいけたとしてもむれにいれてくれるほしょうはどこにもないんだぜ・・・はるになるまえとはいってもこのじきにほうりだされればおちびちゃんたちはどうなるのかわかってるのかぜ?」 「あとのおちびちゃんだってとってもとかいはなおちびちゃんよ!かならずとかいはなゆっくりになるわ!」 ・・・本気で言っているのか?本気で子ゆっくりが「とかいは」なゆっくりだから大丈夫なんて思っているのか? "まりさとありすのおちびちゃんだよ!きっととかいはでゆっくりとしたゆっくりになるよ!" "ゆ!なかないでね!おぼうさんがなくてもおちびちゃんはとってもゆっくりできるゆっくりだよ!" "ほんとうだよ!おちびちゃんはいつもゆっくりしているからかならずくるよ!だからなきやんでゆっくりしていってね!" 不意に自分の言葉がよぎった。それを聞いて確信する そうか、このありすは・・・ 「・・・わかったんだぜ。すぃーはこっちがよういしておくからいちばん"とかいは"なおちびちゃんとしょくりょうをもってくるんだぜ」 人間さんが怪訝そうな顔で見つめている。当り前だろう。ギブアンドテイクも見込めないありす相手にここまでする必然性がないからだ。 だが、自分には理由ができた。 このありすは、昔の自分にそっくりなんだから。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー その日の明け方・・・ 「ゆゆ?おきゃあしゃん?どうしちゃにょ?ありしゅはまだしゅーやしゅーやしたりにゃいわよ?」 「・・・おちびちゃんゆっくりきいてね・・・これからありすとおちびちゃんはどすのいるとかいはなばしょにいくの」 「ゆ!どしゅ?どしゅはちょっちぇもゆっきゅりできちぇちょかいはだわ!」 「すぃーさんをよういしてあるの、おちびちゃん、いまからおかあさんのくちのなかにはいるのよ」 「ゆゆ?ほきゃのいもうちょちゃちは?」 「・・・あとでついてくるわ。まずさきにどすのいるゆっくりぷれいすでおうちをこーでぃねいとしてからじゃないととかいはじゃないでしょ?」 「ゆ!しょうぢゃわ!いもうちょちゃちがちょかいはにゃゆっきゅりににゃるちゃめにもこーでぃねいとがいきちょどいたおうちはひつようなんぢゃわ!」 「ゆっくりわかったらありすのおくちのなかにはいるのよ」 「ゆっきゅりわかっちゃよ!」 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ・・・あれから三日が経った。 「ゆゆーん!ちょかいはにゃありしゅちゃちのおぢょりをみちぇにぇ!ちょかいは~ちょかいは~♪」 「ゆ~ゆ~♪」 「あまあまをおいちぇいきゅんだじぇ!ちゃくしゃんぢぇいいんだじぇ!」 寒い風が吹きすさぶ道路の端で、帽子を一個だけ置いて子ゆっくり三体が踊りやお歌を歌っている。 見ればわかる。あのありすの子ゆっくり達だ。 風貌は以前より小汚くなっている。小麦粉の皮のハリやつやもない。その状態から見るに、この三日碌な食糧も口にしていないのだろう。 子ありすがクネクネと小麦粉の皮をくねらせながら踊っている。その脇で子まりさ二体が体をくーねくーねさせながら音程も何もない歌を歌っているのだ。 声だけは元気だがそれも空威張りと言った所か? ・・・あれからありすの行方は知らない。 すぃーにありったけの食料を詰め込んでそのまま朝日とともにこの街へと出て行ってしまった。 ドスまりさの群れに迎え入れられ「とかいは」でゆっくりとした毎日を送ると思っているんだろう。 好きなだけ食らい、好きなだけ跳ね、好きなだけゆっくりする。 そこには捕食種も車も何もいない。ドスが守るゆっくりプレイス。 ・・・自らの子ゆっくりを容赦なく切り捨てたありすにたどり着けるはずがない。それにその資格もないだろう。 この街を出ようとしたゆっくりがどうなるか。前例がなかったわけではない。 嫌と言うほど自分は知っている。「とかいは」という言葉を便利な何かの様に使うようなありすはどうなるのかも、街を出て行こうとしたゆっくりの末路も。 「羽付き、あのありすはドスの所に行けるのかな?」 人間さんがふと自分に聞いた。 「むりにきまってるんだぜ。もしついたとしてもどすのむれにいれてもらえるわけがないぜ。それにあのしょくりょうだけじゃもたないんだぜ」 そう、絶対に「辿り着けない」 この街に流れてくるゆっくりは、「ゆっくりする」という言葉をどこまでも追求した結果身を崩してここに入ってくる。 自分は「みんながゆっくりすればゆっくりできる」と言う蜃気楼の様な言葉で、そしてこれから山から下りてくるゆっくりは「すきなだけゆっくりできないむれ」から「ゆっくりしてとかいは」な新天地を夢見て この街にやってくるのだ。 試しに出て行こうとすれば良い。と自分はいつも言う。この街ですら「ゆっくりできない」と言っているのだから山野に下った所でそんなゆっくりはずっとゆっくりできないだろう。 ましてやドスの群れでとかいはな毎日を過ごす・・・と言っているがしなければならない事は山もここも変わらない。食料を自分で集め、越冬に備えて「おうち」を補強する。すべてドスがやる訳ではないのだ。 人間さんがこっちを見て口を開く。 「それを知ってて?」 その一言の中にはいろいろな意味が含まれているんだろう。色々と言いたいが、なぜか一言しか言葉が出なかった。 「・・・そうだぜ」 そう、「とかいは」なんて甘言を囁いて子ゆっくりを放り出すようなゆっくりに少し嫌気がさしたのだろう。 こんな宙ぶらりんな事をするのに、理由はそれしか思い浮かばなかった。 「・・・わかった」 それを聞いたきり人間さんは黙りこくってしまった。 子ありす達の歌声は春目前の空にか細く鳴り響いている・・・ 「ちょ~かいはな~あ~りしゅ~を~ゆ~っくり~♪」 「だじぇ~だじぇ~♪」 「あまあまをおいちぇいくんだじぇ!」 ふと見ると、子ありす達が一人の男の前に進路をふさぐように並び歌を歌い出した。 業を煮やしたのだろうか? ソフトボールほどのサイズの子ゆっくり達。それもバッジも何もないし、飾りだってボロボロ、それに見てくれだって良くないゆっくり。 誰から見てもそこらの街ゆっくりにしか見えないだろう。 男は舌打ちをしながらバツが悪そうに口をゆがめると子ありす達に対してこういった。 「どけ」 ・・・随分と優しい人の様だ。 自分は少なくともそう思う。 誰がどう見たって山から街に入ってきて、離散した子ゆっくりの片割れか何かだと思うだろうに。 「ありしゅのときゃいはにゃおうちゃをきいちゃらあまあまをおいちぇいきゅのよ!」 「「おいていくんだじぇ!」」 流石に膨れはしないが中々不遜な物言いだ。 ・・・無理もない。「いちばんとかいはなおちびちゃん」はもういないのだから、そしてそれを止める親ゆっくりすらも。 それにあのありすが言っていた話のかぎりではこの子ゆっくり達が教わったのは街で生きる術ではなく、ただ単にありすの自己満足の「とかいは」な振る舞いだけだろう。 男の口の端がつりあがった。笑っているそれではない。不快な何かを耳にしたり、目にしたりした時の表情といった感じだろうか。 男は片足をつま先立ちの様に上げて一気に振った。 子ありすを中心に左右に子まりさがいるという感じの配置であったが、その内の右側の子まりさが小麦粉の皮が捲れるんじゃないかという勢いでつま先にのめり込んで吹っ飛んだ。 「ゆびょっ」 「「ゆ?」」 子ありすと残った左側の子まりさが対応できぬまま遅れて言葉を出した。 右側の子まりさは電柱にぶつかりそのままポトリと落ちるとブルブルと震えたまま突っ伏していた。 か細く「ゆ”・・・ゆ”・・・」と言う声が聞こえるのが自分の耳に聞こえる。 小麦粉の皮がのめり込んだ形のままでどういった状態なのかはここからでははっきり見えないが、辺りに飛び散った少量の餡子と砂糖細工の歯を見る限り強い衝撃を受けたようだ。 子ありすと子まりさが大きく口をあけて砂糖水の涙と涎をまき散らしながら、凍りついた状況から再び動き出した時間の中で叫び始める。 「ありぢゅのいもうぢょがあああああああああ!!」 「ゆんやああああああ!!」 残った子まりさと子ありすが近づき、舌を伸ばしてぺーろぺーろを始める。 「ゆっきゅりなおるのよ!ぺーろぺーろ」 「ぺーろぺーろ!」 「ゆ”ぅ"ぅ"・・・ぃだぃ・・・ぃぃ・・・ばりぢゃの・・・ばっ!?」 「「ゆうう!?」」 必死にペーロペーロを続ける子ありすと子まりさ。 だがそれを遮るかの様に男のつま先が深々と子まりさの口の中に突き刺さった。 「ぁ…ぎ・・・ぁ"ぐぅぅ・・・」 小麦粉の皮がブチブチと真横に二つに裂けていく。子まりさは寒天の両目からボロボロと砂糖水を流している。 男がつま先をひねった、見た限りで左右に2~3往復ほど。 「ぁ・・・ぁ”ぁ”ぁ”ぉ”ぉ”ぉ”お”お”お”お”お”お”お”ごぐがぁ"ぁ"ぉ”ぉ”ぉ”!!!」 ミチミチと言う音が聞こえると同時に子まりさがグネグネと動き始めた。 底部だけがぷりんぷりんとメトロノームの様に動くが一向にどうにかなる気配ではない。 「きょにょいなぎゃもにょおおおおおお!ゆっぎゅりばなじぇえええええええ!!」 「ゆ!ゆ!ばりじゃはぢゅよいんだじぇええええ!だがらばなずんだじぇええええ!」 残った子ありすと子まりさは必死に男の足に体当たりを繰り返すが全く動じる気配はなく、ただ足がぐりぐりと回るばかりだ。 「お”・・・!お”・・・!ぉ”・・・!」 激しく底部をぷりんぷりんと動かしていた子まりさであったが、餡子が漏れるたびに動きが鈍くなっていき、やがては完全に裂け饅頭となって地面に転がった。 「ありぢゅのいぼうぢょぎゃあああああああああああああ!!ぎょんにゃにょどぎゃいばじゃにゃいいいいいいいいいいいい!!」 「ゆっぐりでぎないんだじぇえええええええええええ!!」 泣き叫ぶ子ありすと子まりさ。自業自得と言えるのだろうか? 見ているのは自分と人間さんだけ、後の人はまるでそこだけ何もないかのように通り過ぎて行っている。 男は子まりさの帽子をひょいととる。だが、それに気付いた子まりさは・・・ 「ばりぢゃのおぼうじじゃんんんんんんん!ゆぐっ!ゆぐぐぐ・・・!!」 なんと帽子のつばに砂糖細工の歯を立てて食らいついたのだ。 必死に帽子を離すまいとする子まりさではあったが、そのまま男が腕を上げると、帽子に食らいついたまま持ち上がって行く。 「ごのいにゃぎゃもにょおおおお!ゆっぎゅりありぢゅのいぼうぢょをおろぢぇえええええ!」 子ありすが垂直に跳ねるがせいぜい男の膝程度までしか飛びあがれない。そのままピョンピョンと跳ねるばかりだ。 男が腕を振り上げた、そのまま帽子をかすらせるように下の子まりさだけを狙い澄まして手刀ではじく。 「ゆぐっ!?ゆぎっ!ゆぎぎぎぃ・・・!」 子まりさの小麦粉の皮がグニャリと歪み、ゴボっと餡子が食いしばった砂糖細工の合間から漏れ出た。 それでも帽子は離さない。 男はそれを続けた、一回、二回・・・と 「ゆぐっ!ゆぐっぶ!」 底部をくねらせ水飴の汗が玉の様に滴り、砂糖水の涎が餡子と一緒に落ちていく、それでも帽子は離さなかった。 男が子まりさを残った片方の手で握り始める。 「ゆぐぶぶぶっ!ゆぎぐぐぐ・・・!」 子まりさの体は丁度「▽」の様な形に変化を始めた、餡子が行き場をなくしてどんどん子まりさの寒天の両目と口が膨らんでいく。 男が力強く握りしめた。 「ゆぐびょっ!」 「あ”あ”あ”あ”あ”!?あでぃずのいぼうぢょがああああああああ!?」 子まりさの寒天の両目が飛び出し、口から餡子がドバッと漏れた。 小麦粉の皮になった子まりさと帽子がヒラヒラと地に落ちる。 男は手をふるって餡子を払い落しながら子ありすの方に近づいて行った。 「ゆ!?あ、ありしゅはちょっちぇもちょかいはにゃにょよ!いまにゃらゆるしちぇあげりゅから・・・ゆうううう!?」 子ありすの体がふわっと持ち上がる。 指でしっかりとロックするように掴まれた子ありすは小麦粉の体をグネグネと動かすが一向に効果はない。 「ばなじじぇええええええ!ぎょんなにょちょがいばじゃにゃいいいいい!!」 寒天の両目からダバダバと砂糖水を流し、しーしーもうんうんも砂糖水の涎も一切合財漏れて滴り落ちてゆく。 男が大きく腕を上げるとそのまま子ありすは地面に向けて急転直下でたたきつけられた。 「どがいばあああああびゅっ!」 前面部分・・・つまり顔から突っ込んだ形になったためか、カスタードクリームが漏れた様子はあまりない。 突っ伏したままピクピクと動いていたが、やがて底部を左右に振ってズルズルと離れ始めた。 「ゆ”・・・ぎぃ・・・ぢょがい・・・ば・・・」 自分はあのありすの表情を見る事が出来た。人間さんも同じようにみているだろう。 落ちた所にカスタードクリームに混じって丸い寒天が二つ落ちていた。 子ありすが口を開くたびにポロポロとカスタードクリームに混じって砂糖細工の歯が落ちて言っている。 どこへ行こうと言うのか、ぽっかりと空いた三つの穴からカスタードクリームが落ちていき、跡を残してズルズルとどこかへと這っていく。 「ありぢゅは・・・ぢょがいばぢゃがら・・・いぼうぢょのぶんまぢぇ・・ゆっ・・・ぎゅ・・・り・いぼう・・・びょ」 ・・・あっけないほどに子ありすは自分の目の前でグシャグシャに潰れた。 男の足が振り下ろされたのだ。足が上がるとカスタードクリームと小麦粉の皮がグシャグシャになった何かがあるだけである。 男は縁石につま先を擦りつけるとそのまま何事もなかったかのように再びどこかへと歩いて行ってしまった。 ・・・簡単に、本当に簡単にありすに捨てられた子ゆっくり達は潰れた。 恐らく最後までありすに捨てられたと気付かないままで。 自分と人間さんはその場所で長い間立ち尽くし続けていた・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あれから二日が経った。 羽付きに連れられ私は街の入り口に近い繁華街に足を延ばしている。 羽付きの表情は硬い。 何かあの子ありす達に考えさせられるものがあったのだろうか? 「かならずあのありすたちはもどってくるんだぜ」 そう羽付きは私に言った。 それがどういった裏打ちがあるのかはまったくもってわからない。だがこれだけは言えるだろう。 少なくともあのありすがドスのいる山までたどり着ける可能性は0だったという事だ。 ・・・調べてみてわかった事だがここの近くの山にドスまりさがいたのは3年前の話。 つまり現在山にはそもそもドスまりさは存在しないのだ。 だからこそ山から街にゆっくりが入ってくるのだろう。 制限をかけていたドスまりさがいなくなったため山では爆発的にゆっくりが増えた。 いかに恵みが豊かな山と言えどもそれを上回るスピードで増えるゆっくり達に会わせられるはずもない。 当然ゆっくり達の一部(「とかいは」にあこがれている若いゆっくり等)が無鉄砲に山を下りてゆくのだ。 山に残ったゆっくりからすれば止める必要もないだろう。言った所で聞かないのだがら。 山から出ていくゆっくりの方が多いという状況の中、もしあのありすが山にたどり着けていたとしても群れに入れないだろう。 ただでさえ数が多すぎるのだから、増えてしまえばその分食料の取り分が減ってしまう。 ・・・つまりはたどり着こうが着くまいがあのありすは「とかいはなどすのやま」に行く事は永遠に不可能と言う事だ。 そもそもドスもいないし、群れにも入れてもらえない。よしんば山で暮らしたとしても街のそれとはまったく違う「狩り」に対応できるはずがない。 羽付きはそれを見越した上であのありすを行かせたのだ。 ここで疑問がつく。羽付きはありすからあまあますらもらわなかったと言った。 自前ですぃーまで用意し、ありすからのあまあまは「食料に回せ」と言って受け取らなかったと言ったのだ。 なぜ損になるような事をあの羽付きがしたのだろうか?私は疑問が残ったが羽付きには最後まで聞けずじまいであった。 羽付きがふと立ち止まる。 繁華街の雑踏に紛れて聞き覚えのある声が微かに聞こえてきた。 「・・・ばず・・・っぐり・・・ざ・・・」 「どっ・・・も・・・どがい・・・な・・・おぢびぢゃ・・・でず」 近づくにつれて声はより鮮明に大きくなっていく。 そこで私と羽付きが目にしたものは・・・ 「おでがいじばずっ!あでぃずをがいゆっぐりにじでぐだざいっ!あでぃずはぎんばっじのゆっぐりでじだ!でぼいながぼのなにんげんにずでられだんでずっ!」 「ありぢゅどおぎゃあじゃんはぢょっぢょもぢょがいばなんでず!ありぢゅはぢょいれじゃっでぢゃんどでりゅじおうだぢゃっでおぢゃえりゅんでぢゅっ!」 あのありすと子ありすであった。五日前より風貌はボロボロであったが・・・ 飾りはなくなっており、ありすは所々砂糖細工の髪が抜け落ちていた。子ありすの方に至ってはカッパの様に中心部が丸く禿げあがっている。 小麦粉の皮は生傷だらけで、ありすの背部には縦に大きな傷ができていた。れみりゃにでも襲われたのだろうか。 道行く人々に声を張り上げてはのーびのーびをして涙とも涎とも判別できない砂糖水を流している。 なぜ戻ってきたのか、その理由は知る由もない。 「おにーざんっ!あでぃずをがぶぁぁ!」 「あ”あ”あ”あ”あ”!!おぎゃあじゃああああああああん!?」 すーりすーりをしようと近寄った若い男にありすは蹴りあげられた。 「ゆぐぎっがぁ・・・おでがいでずっあでぃずを・・・あでぃずをぉぉ・・・!」 「・・・汚ねぇな、離れろよ」 なんとありすはズボンの裾に食らいついて埃と泥にまみれた体ですーりすーりを続けているのだ。 そこまで必死なゆっくりを私は今まで見た事がない。 「離れろつってんだろ!」 「ゆっぎぃっ!ゆぐぅぅ!ゆ”!ゆ”!ゆ”!あでぃずをぐぅっ!?どがいばなあでぃずばぁっ!」 何度踏まれようともありすは一向に話す気配がない。砂糖細工の歯がカスタードクリームに混じって落ちて行っても食らいついている。 「チッ!」 「ゆぎっ!」 ズボンの裾の一部を食いちぎってありすが離れた。男は勢い余って、そのまま思いっきりありすを蹴りあげる。 「あっ!ズボンがっ!」 「ゆっぎばぁっ!」 「おぎゃあじゃああああん・・・ゆ”ぶ!?」 ありすの小麦粉の体が大きく宙を舞った。 そのまま子ありすの上へと落ちていってしまう。 グシャッと音が微かに響いたように聞こえた。 「おでがいでずううう!あでぃずどおぢびぢゃんをっ!・・・お・・・ぢび・・・ぢゃん?」 ガバッと起き上がり再び詰め寄ろうとしたありすであるが、急に後ろを振り向くとそのまま凍りつくかのように固まり出した。 ありすが見た物の先には・・・ 「ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 そこには子ありすが、口からカスタードクリームをぶちまけてドラ焼きの用に平たく潰れたままアメーバの様にグネグネと体を動かしていた。 砂糖細工の歯は飛び出して吐き出されており、その重量の凄まじさを物語る。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?おぢびぢゃんんんんんんんんんん!?」 ありすが体をのーびのーびさせて凄まじい速さで子ありすに近づいた。 「ゆっぐりなおるのよおおおお!ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろおおおおおおおお!!」 「ゆ”・・・!いぢゃ・・・いぃ・・・おぎゃ・・・じゃ・・・ど・・・ぼじ・・・ぢぇ・・・」 「ぢがうのおおおおおお!おぢびぢゃん!ごれはぢがうのおおおおおおおおおお!!」 必死に舌を動かしながら叫ぶありす。 だが破裂したゴムボールの様に敗れた場所からカスタードクリームが噴出しているのだ。助かる見込みはない。 「おぢびぢゃんんんんんんんんんんんんんんん!!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばっ!どがいばぁっ!どがいばぁぁっ!どがいばあああ!どがいばあああああ!どがいばあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「ぢょ・・・がい・・・ば・・・ぢょ・・・が・・・・・・い・・・ぢょ・・・が・・・ぢょ・・・ぢ・・・」 必死に「とかいは」と口にするありす、一番大事な言葉なのだろうか、少なくとも私にはなぜそんな言葉を叫び続けるのか理解できなかった。 当初はモゾモゾと口だった小麦粉の皮の部分が動いて反応していた子ありすだったが、やがて動かくなってしまった。完全にありすの手によってつぶれ饅頭となってしまったのだ。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!どがいばあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!!!」 凄まじい声を放って叫ぶありす。ここから聞いても耳をふさぎたくなる声だ。 羽付きはただその光景を食い入る様に見つめている。 ありすは口を大きく開けて叫びきると既にゆっくりにとってはかなり遠くに行ってしまった中年の男を寒天の両目を見開いてみるとこう叫んで凄まじい勢いで上下に体をのーびのーびさせて近づいていく。 「ごのいながぼのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!よぐもあでぃずのおぢびぢゃんをおおおおおおおおおおおおおお!!じねえええええええええええええ!!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううう!!!ごろじでっ!!!ごろじでっ!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!」 先ほどのありすとは思えないほどの口調だ。抑えつけられた今までの怒りが爆発したのだろう。まるで鎖が千切れたかの様に。 「こーでぃねいと」は理解されず、ドスのいる山にも行けず、地を這いつくばるような日々を送った。客観的になぜそうなったのかを考えずに限界を超えたとき、それは無責任な憤怒となって現れる。 正直な話、逆上も良い所だがその気合いに気おされてしまう だが、男はただ淡々とありすを見つめていた。 跳ねずにのーびのーびによる地面を這うようにして進む進み方でこんな速さをたたき出すありすを見て動じないのが不思議で仕方がない。 「じねえええええええええええええええ!!っぶぁああああああああ!!」 ありすが男の足に体当たりをくらわせようとした時であった。男はそれを見透かしたかのようにつま先でありすを蹴りあげたのだ。 「っゆぎいいいいいい!!ゆぐぐっ!?」 そのまま吹っ飛んだありすに近付きありすを動けないように踏みつけた。 「ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょうっ!ぢぐじょううううううううう!!ばなぜごのいながぼのおおおおおおおおお!!」 砂糖細工の歯を食いしばり、口の端から砂糖水が微かに垂れている。それほど逆上しているのだろうか? 男はそれをまるでどうと言う事もないかのように見下ろしているだけだ。 「おい、調子に乗るなよ。そもそも勝手に突っかかってきたのはお前だろうがよ」 「だばれだばれだばれだばれだばれええええええええええええええ!!ごろじでやるうううううううう!!おばえびだいないながぼのはごろずううううううううううううううう!ごろじでやるうううううううううううううう!!!!だがらばなぜええええええええええ!!」 その言葉を聞いた途端に静かに男が足をグリッと押し付けた。 「ああ?今なんつった?なんつった?おい?ああ!?なんつったんだ!ああああ!?」 男がこめかみに青筋を浮かべてありすを踏みつけ始める。 一発で凄まじく潰れたありすは口からカスタードクリームを吐き出した。 「ゆっばぁ!ぢぐじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!ごのぐぞいながぼのがああああああああ!!ぢぐじょおおおおおおおおおおおおお!!」 まだ男に罵声を浴びせかけられるようだ。 今度はありすの顔面に足が降りる。 「ゆっぎぃぃ!」 また一発、また一発と重くそして強い衝撃がありすの小麦粉の体を襲う。 そのたびにありすはトランポリンの様に跳ねて元の形に戻るのだ。 「ゆぎゃあああああ!!ゆぎいいいいい!ゆぎょおおおおお!あ”あ”あ”あ”!!あでぃずはどがいぶごっ!!どがいばっぼ!?どがいっ!どがいばっび!どが!どごぅっ!ゆぐっ!あ”ぎょ”お”お”お”お”お”お”お”!!」 ・・・砂糖細工の歯が宙を舞った、カスタードクリームが地面に散らばる。擦れるようにして小麦粉の皮が砂糖細工の髪ごと根こそぎ持っていかれる。 「・・・ゆ”・・・いなが・・・ぼ・・・」 「ああ?なんつったんだ?」 「いな・・・ぎょお”お”お”お”お”お”お”お”お”!!!???」 男の足がありすの口の中にすっぽりと入った。 踝まで入ったので中でどのようになっているかは定かではない。 真上に向いたまま男が足を激しくグリグリ動かしている つまり中のカスタードクリームが中枢餡ごとグシャグシャにかき回されているという事だ。 「ぎょおおおおおおおおおおおおおおお!!あぎょおおおおおおおおお!!ぎぐぎゃぎぎいいいいいいいがああああああああっぎぎょおおおおおおおおおお!!あああぉぉぉおおああぁぁぁああおぉぉおおおおあああぉぉああああっぉぉおおおおおああおあおあおああああああああああっ!!っぎぃびいいいいいいいいいいいいいいい!!」 寒天の両目がタコメーターの様にグルングルンと回る。うんうんがもりもりとあにゃるから出ている。 それでも男は動きを止めない 「かっ・・・!かはっ・・・!ゆ”・・・ぎぃ・・」 やがて動きも鈍くなってありすは動かなくなってしまった。 止めとばかりにありすを蹴りあげる男。 ありすはゴロゴロと転がるとそのままあにゃるを上向きにして動かなくなった。 ・・・時間にして約三分ほどだろうか、そこには小麦粉の皮が不規則に凸凹になったゆっくりらしきものがそこにあるだけだ。 あにゃるを向けて突っ伏しているためその表情はどのようなものか知る術はない。 男はポケットに手を突っ込むとそのまま歩いてどこかへ行ってしまった。 ・・・これが「街を出て行こうとしたゆっくり」の末路だ。 道中で何があったのかは知らないが、そもそも方角すらおぼつかない街ゆっくりが単体で40km近くも進めるはずがない。 ドスまりさが率いる群れですら移動してせいぜい10~20kmと言うのに・・・ ・・・山野のゆっくりがこの街に入ってくるのはなぜか? それは山野のゆっくりが増え過ぎているからにすぎない。1000体単位で山から下りてこの街に流れ着くのだ。 その頃には100体近くまで減っているがそれでも多い。 だが、それが数カ月も粛々と続くのである。 それほどの過酷な道のりを経てくるゆっくりに類するものはあのありす達にはあったのだろうか? その答えはありす達が街に戻ってきたという事実以外に他ならない。 結局引き返して戻らざる負えなかったのだ。 私は、ふと羽付きの顔を見る。その表情はどこか物哀しそうであった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・温い風が「おうち」の角に当たってズーッと言う音が響いている。 その音の奥に何やら微かにゆっくりが跳ねる様な音が聞こえてきた。 「ゆ!ゆ!はねまりさ!ゆっくりおきてね!」 「おうち」の前で何やら騒がしい声がする。 もそもそと出て行ってみるとそこには胴バッジを付けたまりさの姿がそこに会った。 「どうしたんだぜ?」 「ゆゆ!このあいだいってたこゆっくりのうけいれだけどなんとかあきができたよ!」 銅バッジまりさが水飴の汗を流しながら息を整えてそう言った。 ・・・だが遅い、もう遅いのだ。あの子ありすや子まりさ・・・三体の子ゆっくり達はつぶれ饅頭と化してしまったのだから。 「・・・そのはなしだけどもういいんだぜ」 自分がそういうと銅バッジまりさは首をかしげた。 「ゆうう?どうしたの?なんとかいれてほしいってあれだけいってたのに・・・はねまりさがあんなにいっしょうけんめいたのむからなんとかしようとしたんだよ・・・?」 「もうおそかったんだぜ・・・」 「ゆゆ・・・まさかはねまりさがむれにいれてほしいっていってたこゆっくりたちは・・・」 「とにかくうごいてくれてゆっくりありがとうだぜ。むりいったのにもうしわけないんだぜ」 「ゆ・・・それはだいじょうぶだよ!はねまりさにはいつもおせわになってるからできるだけゆっくりしてほしいってむれのみんながいってるよ!」 ・・・結局地域ゆっくりとの付き合いも自己保身の内だ。自分がどう思っていようと周りからはそうとしか思われないだろう。ならばいっそ割り切った方が良い。 銅バッジまりさは何度もこちらを振り向きながらゆっくりと跳ねて帰って行った。 銅バッジまりさが去った後、河原に暫くボーっと立っていた。 風はまだヒュウヒュウと頬をなでている。その温い風になぜか自分は不愉快な気分になってしまうのを不思議に感じていた。 ・・・群れに入れば何とか地域ゆっくりとして生活できると思って頼んではみたが結局結果は断られた。 「こーでぃねいと」の意味を履き違えているありすの子ありす、それの周りにいた子まりさは必ず軋轢が生じるようになると群れのありす達の反対があったからだ。 皮肉なものだ。ありす種のチャンスをありす種が潰したのだ。 それに今の時期は子ゆっくりを育てて地域ゆっくりとしての教育を施す時期。 途中から入られれば足並みが乱れるし、子ゆっくりの数に対してぱちゅりーの数がギリギリなのも理由の一員であった。 銅バッジまりさがなんとか頼みこんで説得してくれたのはありがたいが、かなり無理をさせてしまったようだ。 せめてあの子ありす達だけでも助けようと思ったが、何もできなかった。いや、何もしようとしなかったのだ。人間を恐れたのか、「とかいは」と言う幻想におぼれた子ありす達を見限ったのか、理由なら後で幾らでもつけられる。 あの子ありす達は助からなかった。ただそれだけの話だ。 所詮、街ゆっくりの殆どから「にんげんとつるむげす」と言われている自分がすればただの偽善なのだろうか? ・・・答えは誰も教えてくれない。 暖かい風が吹いている。あの子ありす達の存在も風に流されて行く様に忘れ去られて行くだろう。 せめて自分が最後まで忘れないでいる事が今できるせい一杯の事なのかもしれない。 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト ふたば系ゆっくりいじめ 587 バトル・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 592 コールド・ソング ふたば系ゆっくりいじめ 604 ロンリー・ラック ふたば系ゆっくりいじめ 625 ループ・プレイス ふたば系ゆっくりいじめ 632 フェザー・メモリー(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 643 フェザー・メモリー(後編) ふたば系ゆっくりいじめ 690 ウィンター・ブルース ふたば系ゆっくりいじめ 706 シティ・エレジー ふたば系ゆっくりいじめ 1051 街を跳ねるもの達 ふたば系ゆっくりいじめ 1052 UNDER ふたば系ゆっくりいじめ 1069 CLOUDY ふたば系ゆっくりいじめ 1070 静寂な高音 ふたば系ゆっくりいじめ 1079 花と雨と貝殻と 羽付きあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 銅バッジまりさ、普通に善良じゃね?銅バッジはゲス化する傾向が多いのに -- 2011-07-20 01 37 23 羽根つきの優しさは、ゆっくり達に伝わるのだろうか… 賢さ故に孤立してるよなぁ -- 2011-01-13 12 03 17 ↓反省や後悔するまで殺されなかった運のいいゆっくりでもあるな -- 2010-09-25 01 29 21 失敗は人間にもゆっくりにもある。がその失敗を反省し自分を振り返ってみて 貴重な経験として後のゆん生に生かす奴は決して愚かでも馬鹿でもない 羽根付きはその反省ができる希有なゆっくり その他の野良はおおむね失敗をすぐ忘れて経験にすることができない馬鹿なゆっくり -- 2010-08-29 09 45 56 馬鹿というか、、後悔したから成長したからな羽根付き。 飼い主をゆっくりさせなかった時点で殺さなかっただけ偉いと思う。 -- 2010-08-20 21 55 16 羽根つきを捨てた人間は馬鹿だ、そう思うだろう? -- 2010-08-05 01 20 44 羽根つきもうゆっくりじゃないだろ。 -- 2010-07-24 16 16 15 ズボン食いちぎられた人間さんは優しいよね ゴミが身勝手な逆上をしなかったらたぶんそれ以上危害を加えなかっただろうね -- 2010-07-23 20 49 15 A あわれなありすね。せっかくとかいはなこーでぃねーとをしてあげたのにすてられるなんて… M やっぱりにんげんさんはゆっくりできないんだぜ。ありすにあやまるんだぜ! -- 2010-07-16 01 31 03 羽付きがゆっくりらしからぬ良いゆっくりだと言う事は解った そしてゴミ一家マジで救えNEEEE -- 2010-07-12 02 46 38 ゴミが数個掃除された 珍しくもないいつもの光景です これが日常 -- 2010-07-12 00 59 25 面白かった。 -- 2010-06-21 01 59 16
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/118.html
「ゆっ!おちびちゃんたち、ただいま!」 「みゃみゃだ~!」 「ゆぅ!おかあしゃん、おかえりなしゃい!」 「おかーさん、おかえりなさいだぜ!」 「ゆっくりおかえりなさい!」 「ゆぅ~ん♪おにゃかしゅいたよ~♪」 巣に戻ってきた母れいむに、巣の中で遊んでいた子ゆっくり達が 口々に返事をしながら、ぴょんぴょんと跳ね寄って来る。 崖の岩肌にできた洞穴。 ゆっくりの巣としては広い洞穴で、 屈みさえすれば、人間でも三人ぐらいは入れそうな広さがあった。 ほぼ円形の広々とした空間。 目立つ物と言えば、天井から突き出した、頑丈そうな太い木の根ぐらい。 崖の上に立つ大木の根がここまで伸びてきているのだった。 そこが、れいむ一家の巣だった。 その巣に住むのは、 ソフトボール大の子ゆっくり、子まりさが2匹に子れいむが1匹。 ピンポン玉より一回り大きめの赤ゆっくり、全て赤れいむで3匹。 母れいむを入れて、今は計7匹のゆっくり家族だった。 「みゃみゃ~、しゅ~りしゅ~りちて~♪」 「ゆっ!れーみゅも!」 大好きなお母さんとすーりすーり♪しようとしているのは、 末っ子と五女の赤れいむコンビ。 そして、母れいむの陰に転がっている丸い物体に気づく。 「ゆ・・・?しょれ、なーに?」 「ゆ!このこはね・・・」 五女赤れいむが上げた疑問の声に 母れいむが事情を説明をしようとしたときだった。 「ゆっ、ゆぅ・・・ん・・・・」 注射されていた睡眠薬の効果が切れ、目を覚ましたソレが声を上げた。 「ゆわっ!?しゃべっちゃ!」 末っ子の赤れいむが驚いてぽよ~んと、飛び上がる。 「ゆゆっ?おちびちゃん、めがさめた?」 母れいむが少し体をよじって鎖を引っ張ると、コロコロとソレが転がり、 母れいむの目の前までやってくる。 「ゆぅ!あかちゃんだよ!」 次女である子れいむが最初にその正体に気づいた。 「そうだよ!きょうから、このあかちゃんもかぞくになるよ! みんなゆっくりなかよくしてね!」 「「「「「ゆゆぅ~!?」」」」」 突然家族が増えたことに、 一様に驚きの声をあげる子供ゆっくり達。 「おちびちゃんも、これからはれいむがゆっくりさせてあげるからね。」 優しく笑顔を向けるれいむ。 キョトンとしている赤まりさ。 「ゆ・・・きょきょ・・・どきょ・・・?」 生気のない声で誰にともなく尋ねる。 怖い人間の家にいた筈なのに、 気がついたら、どこか見知らぬゆっくりのお家にいた。 怖い人間の家にいた筈なのに? その怖い人間の家で自分は何をされた? 怖い人間に見せられた鏡という物に写っていたのは何だった? 「ゆっ・・・!?み、みないじぇぇ!まりしゃをみないじぇぇ!」 突然、恐慌状態に陥り、泣き叫び出した目の前の赤まりさに、 唖然とするゆっくり一家。 その状態からいち早く復帰したのは、母れいむだった。 「ゆっ!おちびちゃん!もうだいじょうだよ! おちびちゃんをいじめる、わるいにんげんさんは、もういないよ!」 赤まりさを落ち着かせようと力強く声をかける。 だが、赤まりさの恐慌は治まらない。 今、赤まりさが怯えているのは、目の前にいない人間にではない。 怖い人間によって、怖い化け物にされてしまった自分の姿、 そして、その自分を見たときに、周りのゆっくりが見せるであろう 反応に怯えていたのだ。 しかし、その反応は赤まりさが想像していたものとは違った。 「ゆゅ・・・どうちたのぉ・・・?ぽんぽんいちゃいの・・・?」 五女赤れいむが心配そうに、赤まりさの顔を覗き込む。 「みちゃやぁぁ!みないじぇぇ・・・ゅ・・・・?」 自力で動くことができないため、顔を逸らすことすらできず、 ただ泣き叫ぶ赤まりさだったが、 赤れいむが叫び声をあげないことに気づいて戸惑う。 自分の妹のまりさは、自分の顔を見て怯えて、火がついたように泣き出した。 この赤れいむもそうだろうと思っていた。 「ゆぅぅ・・・りゃいじょうぶ・・・?」 だが、赤れいむは、いまだに心配そうに、 赤まりさの顔をじぃっと覗き込んだままである。 「ゆ・・・・・・・・」 赤まりさは、少し離れた所から、固まってこちらを見ている、 他の子ゆっくりと赤ゆっくり達に視線を移す。 他のゆっくり達は、どこか訝しげな視線をこちらに向けている。 やっぱり自分のお化けみたいな顔を怖がっているのか? でも、怖がって怯えているという様子とは少し違う。 「・・・ゆ。なんだか、へんなおめめのあかちゃんなのぜ!」 小馬鹿にしたような口調で子まりさが言った。 (ゆ・・・やっぱり・・・) 再び、赤まりさの心が暗く沈む。 その様子を見て、母れいむが子まりさを叱りつけようとした、その時。 ドン!! 「ゆびゃっ!?」 音を立てて、子まりさに体当たりをしたのは、もう一匹の子まりさ。 長女まりさであった。 ちなみに体当たりをされた方の子まりさは三女である。 「あかちゃんに、そんなひどいこと、いっちゃだめなんだよ! そんなこというゆっくりは、ゆっくりできないよ!」 「だじぇ・・・」 姉に叱られ、涙目になる三女まりさ。 「そうだよ。れいむのおちびちゃん。 このあかちゃんはね、わるいにんげんさんに、けがをさせられたんだよ。 とってもかわいそうなめにあったんだからね。 いじわるいったら、おかあさんゆるさないよ。」 姉まりさが厳しく叱ってくれた分、 幾分優しく、諭すように語りかける母れいむ。 「ゆぅ・・・ごめんなさいなんだじぇ・・・」 涙目で謝る三女まりさ。 「まりさ、あかちゃんにもあやまろう?」 体当たりされた時に地面に打ち付けた頬を ぺーろぺーろしてくれながら、次女れいむが促す。 「ゆぅ・・・あかちゃん、ごめんなさいなんだじぇ・・・!」 母れいむは安心していた。 三女の子まりさは思ゆん期にありがちな反抗精神から、 粗雑な態度を取ることも多いが、根は優しい子ゆっくりである。 きちんと接してあげれば、こちらの想いは必ず通じる。 勿論、他の子達もこの子に負けず劣らずに 優しい、ゆっくりとしたゆっくりだ。 一方の赤まりさは、戸惑っていた。 変な顔と言われこそしたが、このゆっくり達には怯えた様子は見られない。 自分が自分の顔を見たときには、恐怖のあまり叫び声を上げた。 怯えるなと言われても、怯えずに済む顔ではなかった。 お父さん達だって、叫び声こそ上げなかったが、 怖がってブルブルと震えていたではないか。 それなのに、この家族達は、何故か誰も怯えた表情を見せてはいない。 自分の顔が怖くはないのだろうか? 自分の顔は怖くはないのだろうか? 「それじゃ、みんな、あたらしいかぞくのあかちゃんに、 ゆっくりあいさつしようね!」 「「「「「「ゆっ!」」」」」」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!!」」」 母れいむの号令一下、綺麗にハモった挨拶をするゆっくり一家。 「・・・・ゆぅ・・・ゆっくり・・・していってね・・・・」 一方の赤まりさは、ゆっくりの本能から返事は返すが、 その声にはまったく力がこもっていない。 ゆっくり一家も表情を曇らせる。 「ゆ~・・・あかちゃん、げんきないよ・・・」 長女まりさが心配そうに母れいむを見やりながら言う。 「ゆぅ・・・ おちびちゃん、ひどいことされたから、げんきないんだね・・・ でもだいじょうぶだよ! ゆっくりしていれば、きっとげんきになれるからね! ここはゆっくりできるおうちだから、 おちびちゃんはえんりょしないで、ゆっくりしていってね!」 母れいむが赤まりさを元気づけるように言う。 「ゆ・・・」 赤まりさの反応は相も変わらず。 母れいむは嘆息を漏らすが、まだこんな小さな赤ちゃんが、 ひどい目に遭わされた上、家族まで失ったのだから仕方がない、 後は時間に任せるしかないと結論を出した。 「みゃみゃぁ♪れいみゅ、おにゃかしゅいたよ!」 暗い雰囲気を破るように、六女れいむが脳天気な声をあげた。 時間は既に夕方近い。 朝ごはん以来、何も食べていない子供達は既に空腹であった。 「ゆっ!そうだね!ごはんさんにしようね!」 母れいむも、自分達が沈んだ気持ちでいては、 この赤ちゃんをゆっくりさせてあげることなんてできない、 みんなで楽しいごはんにしようと、気持ちを切り替える。 そこで、人間から貰った、とてもゆっくりできるごはんの事を思い出した。 「ゆゆっ!ゆっくりおもいだしたよ! おちびちゃんたち!きょうはとってもおいしいごはんさんがあるよ! おねえちゃんたちは、おかあさんをてつだってね!」 「ゆゆぅ~!?おいちいごはんしゃん!?」 「ゆわーい!ゆわーい!」 嬉しそうにピョコピョコ飛び跳ねる赤ゆっくり達の歓声を受けながら、 母れいむと子ゆっくり達は、人間が巣の前に置いていった 大量の食料の山を巣の中に運び入れる、 「ゆぅ~!!!すごいごちそうなんだじぇ~!?」 「とってもあまそうな、あまあまさんもあるよ!?」 「ゆっ!すっごくゆっくりできるごはんさんだね!!」 お姉ちゃんゆっくり達も、今まで見たことのない大ご馳走に、 興奮してポヨンポヨンと飛び跳ねる。 「こっちのごはんさんは、ふゆごもりのときのおたのしみだよ! きょうはくだものさんとおやさいさんをたべようね! とってもおいしくて、ゆっくりできるよ! でざーとにあまあまさんもあるよ!」 「「「「「「ゆゆ~ん♪」」」」」」 そうして、楽しそうな一家の食事が始まった。 「うっめ!?これめっちゃうっめ!?」 「ゆゆぅん♪このくだものさん、すっごくおいしいよぉ!」 「おにぇちゃん!おやさいしゃん、おいちぃにぇ!!」 「「「むーしゃむーしゃ、しあわせぇ~♪」」」 ガツガツ、もっもっ、と餌を食い散らかしてゆく、ゆっくり達。 そんなとき、ふと五女赤れいむが、一匹佇んでいる赤まりさに気づく。 「ゆぅ・・・おかあしゃん、あにょこはちゃべないの・・・?」 「ゆっ・・・おちびちゃんはおくちをけがしちゃって、 ごはんがたべられなくなっちゃたんだよ・・・」 「ゆぇぇぇん! ごはんしゃんたべりゃれなかっちゃら、ゆっきゅりできにゃいよ~!」 それを聞いた末っ子の赤れいむが泣き出してしまう。 「・・・・・・・・」 そのやり取りを黙って見ていた三女まりさが、 今から食べようとしていた餡子を口に頬張ると、 赤まりさの目の前までビョンビョンと跳ねて来た。 そして、ベッと餡子を吐き出す。 「ゆっ!ごはんさんをたべないと、 まりさみたく おおきくなれないのぜ! むりしてでも たべたほうがいいんだぜ!」 そして、母ゆっくりが子ゆっくりにしてやるように、 少量の餡子を自分の舌に乗せると、 キョトンとしている赤まりさの口の前に差し出した。 先程の汚名返上のつもりなのだろうか。 だが、子まりさは、そこで初めて、 赤まりさは餌を食べるべきお口を閉じているのではなく、 そもそも、お口がついてない、ということに気づく。 その部分には、呼吸のための空気穴が幾つか開けられているのだが、 針で開けた細い穴なので、ゆっくり達はそれに気づかなかったし、 どのみち食物摂取の役に立つものではない。 「ゆ?ゆぅっ・・・?!おぐぢがぁ・・・!? ゆぎぃぃ!?どうじでごんなひどいごとするんだじぇぇぇ!?」 三女まりさはガクガクと震えながら驚愕の声を上げた後、 赤まりさの境遇に我が事のように涙を流し、 じだじだと体をぐねらせる。 「ゆ・・・まりしゃは・・・だいじょうぶぢゃよ・・・ おにゃきゃ・・・しゅいてないよ・・・」 実際、赤まりさは、濃縮オレンジジュースによって 十分過ぎる程の栄養を与えられているので空腹感は無かった。 それでも普通のゆっくりであれば、 他のゆっくり達が美味しそうにごはんを食べている光景を見れば、 おのずと食欲が沸いてくるものである。 しかし、虐待を受け、家族から化け物呼ばわりされて 生きる気力を失っている今の赤まりさは、 ゆっくりできる美味しいごはんすらも、 何ら魅力的には感じなかったのである。 「ゆぅぅ!だっだらまりざも、おながずいでないんだじぇ! あまあまはいらないんだじぇぇ!!」」 三女まりさは、そう言いながら、体を使って地面の餡子を脇に押しやる。 だが、時折視線が餡子の方を彷徨い口の端から涎が垂れているのが未練である。 「ゆぅ・・・ゆっきゅり、あみゃあみゃさんをたべちぇにぇ。 しょのほうが、まりしゃはうれちいよ?・・・まりしゃおにぇしゃん。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆ・・・ゆ゛え゛ぇ゛ぇぇん! ゆっぐりいだだぐんだじぇぇ!! むーじゃ、むーじゃ・・・じ、じあわぜぇぇ!!」 しあわせぇと叫びながらも、 ボロボロと涙を零し、むせび泣きながら餡子を貪り喰らう三女子まりさ。 この子まりさは、同世代の子ゆっくり達の中では一番の年下。 妹の赤ゆっくり達は全てれいむ種。 そんな中で、初めてできた、同じまりさ種の"妹"。 初対面では、あんな意地悪な事を言ってしまったが、 内心ではそのことが嬉しくて嬉しくて仕方なかったのだ。 だから、お姉さんらしい所を見せようとして頑張ったのだが、 逆に"妹"に気を使われてしまった事への悔しさと、 『おにぇしゃん』と呼ばれた事への嬉しさ。 それらが綯い交ぜになっての涙だった。 「おにぇちゃん、なきゃないでにぇ!」 「ゆぅぅぅ!みんにゃでいっしょに、たべよーにぇ!」 赤れいむ達が、まりさ姉妹の元に跳ね寄ってくる。 それを見て、姉の子まりさと子れいむも、 美味しい餡子さんを口に咥えて、集まってくる。 母れいむは、そんな子供達の姿を微笑ましそうに眺めている。 その中心にいながら、赤まりさの心は、 いまだ辛い記憶に暗く沈んだままだったが、 虐待を受けた疲れからか、残っていた睡眠薬の影響からか、 ウトウトと船を漕ぎ始め、いつしか、安らかな眠りに落ちていった・・・ -------------------------------- それから三日後。 赤まりさが新しい家族の元に来てから四日目の日。 「ゆぅぅ~!?まりしゃ、しゅご~い!!」 ゴムボールの弾力でボヨンボヨンと高く跳ねる赤まりさを見上げながら、 四女赤れいむが感嘆の声を上げる。 「おちびのくせに、なかなかやるんだぜ!」 三女子まりさが、負けじとポヨンポヨンと跳ね上がる。 「ゆゅん♪」 他のゆっくり達に較べると、まだ少し元気が無いが、 それでも楽しげな声を上げる赤まりさ。 あの日以来、小雨が降り続き、一家は一歩も外に出ることなく、 巣である洞穴の中で過ごしていた。 外には出られなくても、美味しいごはんは食べきれないくらいある。 また、一家が巣にしている洞穴は広いので、 子ゆっくり達が一緒に遊べるだけの空間もある。 もっと広いお外で、のびのびと遊べないのは残念ではあるが、 それでも一家はゆっくりとしていた。 母れいむ一家の赤ゆっくりよりも、僅かに年下の赤まりさは、 皆の妹分として、姉妹達からも可愛がられた。 そんな、ゆっくりとした優しい"家族"に囲まれていた事と、 都合の悪い記憶、辛い記憶はすぐに忘れ去ろうとする ゆっくりの自己防衛本能故に、暗く沈んだ赤まりさの心も、 少しずつではあるが、元の明るさを取り戻していった。 凍てついていた氷が溶け出すように、ゆっくりと。 そして今日、三日ぶりに雨が上がり、 一家は森の中の空き地まで遊びにやってきて、 厳しい冬が始まる前の、柔らかな陽の光を存分に楽しんでいた。 「ゆっ!もういっかい、いくよ!」 次女子れいむが、赤まりさを留めている鎖を口で咥えると、 ピョーン!と空に向かって放り投げる。 「ゆぅ♪まりしゃ、とりしゃんみちゃい♪」 ボヨ~ン、ボヨ~ンと高く飛び跳ねる赤まりさ。 何回目かの着地点に、尖った小石が落ちていた。 「ゆぴゃっ!?」 尖った石に当たったことで、赤まりさがあらぬ方向に飛んで行く。 「ゆぇぇん!まりしゃぁ!?だいじょうびゅ~!?」 赤まりさを追いかけ、涙目で跳ねてゆくのは、五女赤れいむ。 「ゆ・・・だいじょうびゅ!びっきゅりしちゃっただけぢゃよ!」 赤まりさは、何事もなかったように返事をする。 全身をゴムで包まれているので、 小石に当たったくらいでは、何のダメージも無いのだ。 「ゆぅ~・・・ぺーりょぺーりょ、すりゅよ!」 それでも心配して、赤れいむが赤まりさの底部を舐める。 赤まりさは、赤ゆっくり達の中では、 この五女赤れいむと一番仲が良くなっていた。 本当の姉妹の中で一番仲の良かった赤れいむと どこか雰囲気が似ている事もその一因だった。 そして、赤れいむの方も赤まりさが大好きだった。 「ゆ~ん・・・?」 ぺーろぺーろをしていた赤れいむが不意に疑問の声をあげる。 赤まりさの底部のぺーろぺーろをした箇所が 饅頭皮の肌色から、黒色へと変化したからである。 しばらく、その黒い物を見つめていたが、 赤れいむにはそれが何かはわからない。 そうこうする内に、 「ゆ!つぎはおしくらゆっくりをやろうね! おしくらゆっくりす~るも~の♪こ~の■■■■と~まれ♪」 長女まりさの呼びかけに、五女赤れいむもすっかりそちらに気を取られる。 「やりょうね~♪」 「おちびもやるんだぜ!とってもたのしいのぜ!」 「ゆぅ♪まりしゃもやりゅよ♪」 三女子まりさに引っ張られ、赤まりさが嬉しそうに声を上げる。 「ゆぅぅぅ!みんなとってもゆっくりしてるね! おかあさんもゆっくりできるよ!」 母れいむは、鎖に繋がれて遠くまで離れられない赤まりさを中心に 仲良く遊ぶ子供達の姿に、顔を綻ばせていた。 -------------------------------- 「ゆぅ・・・ゆぴぃ・・・・」 「だじぇ・・・・」 「すーやすーや・・・すーやすーや・・・ちあわせぇ・・・」 遊び疲れた子供達は、母れいむに寄り添って、しばしのお昼寝タイム。 穏やかな子供の寝顔をみつめる母れいむ。 ふと、視線に気づく。 「ゆ?どうしたの、おちびちゃん?おねむじゃないの?」 自分を見上げていた赤まりさに声をかける。 「ゆ・・・・・・」 赤まりさは、何かを言いたそうに、もじもじとしている。 「ゆぅ・・・?どうしたのかな?」 「あ、あにょね・・・・おばちゃん・・・」 いい淀む、赤まりさ。 どうしよう。断られたらどうしよう。 そんな思いに餡子胸をドキドキと高鳴らせて。 母れいむは、優しい笑顔を浮かべて、ただ黙っている。 「まりしゃね・・・まりしゃ・・・おばちゃんのこと・・・・・・ おかあしゃん・・・って・・・よんでみょいい・・・・・・?」 ウルウルと瞳を潤ませながら、 赤まりさがやっとの思いで言葉を絞り出す。 「ゆゆっ!?もちろんだよ!おちびちゃん! おちびちゃんも、れいむのかわいいあかちゃんだよ!!」 母れいむが満面の笑みを浮かべて答える。 「ゆぅぅぅ・・・おかあ・・・しゃん・・・おかあしゃん!おかあしゃぁん!」 泣きながら、母れいむの事を何度もお母さんと呼ぶ、赤まりさ。 「ゆぅ・・・さびしかったんだね、おちびちゃん。だいじょうぶだよ。 これからは、おかあさんがずっとおちびちゃんのそばにいるからね!」 母れいむも目に涙を浮かべながら、赤まりさの固い体にすーりすーりをする。 ガサリ 不意に離れた木陰で物音がした。 子供を守ろうとする本能から、まず、母れいむが咄嗟にそちらに視線を移す。 遅れて赤まりさが。 木の陰から一人の人間が笑顔でこちらを覗いていた。 だが、ゆっくり達の視線がこちらを向いたことに気づき、すぐに身を隠す。 (ゆ・・・?あのときのおにいさん・・・?) 母れいむは、その顔に見覚えがあった。 他ならぬ、この赤まりさを母れいむに預けた、あの人間だ。 (おちびちゃんがしんぱいでみにきたんだね・・・) 「ゆっ!おにいさん!こっちに・・・」 赤ちゃんはとってもゆっくりできてるから心配ないよと伝えよう、 それから子供達にも美味しいごはんのお礼をさせよう、 そう思い、お兄さんに声をかけようとする母れいむ。 だが、その声が遮られる。 「ゆぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 赤まりさが、耳をつんざくような絶叫を放った。 「ゆっ!?どうしたの!?おちびちゃん!?しっかりしてね!! どこかいたいの?!」 「ゆびぇぇぇぇぇぇぇ!!にんげん!!!にんげんしゃんがいりゅよぅ!!! ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!!やめちぇぇぇ!!!ゆぴゃぁぁぁっ!!! まりじゃに、ひぢょいこちょちないじぇぇ!!!!!!!!」 半狂乱になって泣き叫ぶ赤まりさ。 赤まりさの叫び声に、姉妹達も次々に眠りから醒め、 尋常ならざる赤まりさの声に、何事かと心配そうに様子を伺っている。 「ゆゆっ!?ちがうよ!おちびちゃん! あのにんげんさんは、いいにんげんさんだよ! おちびちゃんのことたすけてくれた、やさしいおにいさんだよ! ゆっくりりかいしてね!!」 この赤ちゃんは、人間の顔が区別できないのだろう。 自分を虐めた悪い人間も、あの優しい人間も、 みんな同じに見えるに違いない。 そう理解した母れいむは、必死に赤まりさを宥めようとする。 それに、赤ちゃんの命の恩人であり、美味しいごはんの恩人でもある お兄さんに聞かれたら気を悪くさせてしまう。 まりしゃのおかあしゃんは何を言っているのだろう。 あの人間さんが、良い人間さん?優しいお兄さん? 違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。 そんな筈はない。だって、まりしゃは忘れていない。 絶対に忘れられない。あの人間さんの笑顔。 まりしゃの本当の姉妹達と、本当のお父さんとお母さん達を、 とってもとってもゆっくりできないひどい目に遭わせたあの笑顔。 あの怖い怖い怖い怖い怖い怖い笑顔。 「ゆ゛え゛ぇぇぇぇん!!!ぢぎゃうにょぉぉぉぉ!!!! ぎょわいにんげんざんにゃにょょぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「ゆぅぅ・・・・おちびちゃん・・・・」 赤まりさは、必死になって母れいむに訴えかけるが、 必死になればなるほど、恐怖だけが先に立ち、言葉は伝わらない。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 このままでは、まりしゃだけではなく、 優しいお母さんと、お姉ちゃん達まで、あの怖い人間に・・・! 「ゆっぐ・・・!!にげぇぇ!!にげちぇぇぇぇ!!! にんげんざんがぎゅるよぉぉぉ!!!!!」 「ゆっ!!おちびをいじめた、わるいにんげんがくるのかだぜ!! そんなやつ、まりさがひとひねりにしてやるんだぜ!!!」 漠然と状況を把握した三女まりさがいきりたつ。 「「ゆっくりできないにんげんは、おねえちゃんたちがゆるさないよ!!」」 長女まりさと、次女れいむも、赤まりさを囲むようにして、 どこにいるかもわからない敵に向かって、 ぷっくぅぅぅ!と全力で威嚇をする。 「ゆすん・・・おにぇちゃん・・・!」 やっと自分の話を理解してくれる相手が現れたと、希望に目を輝かす赤まりさ。 「ち、ちがうよ!れいむのおちびちゃんたち! ちゃんとれいむのおはなしきいてね!?きいてね!? どぼじでぎいでぐれないのぉぉぉぉ!?!?」 子供達が更に事態をややこしくしようとしていると感じ、 ほとほと困り果てる母れいむ。 無論、この場合、判断を誤っているのは、母れいむただ一匹なのだが、 そんな事には気づく筈もない。 その時だった。 ポツ・・・・・・ポツ・・・ポツ、ポツ、ポツ、ザー・・・ この季節の天気は移ろいやすい。 ゆっくり達が賑やかにゆんゆん騒いでいる間に、 いつの間にやら空が掻き曇り、あっと言う間に大粒の雨が降り出した。 「「「「あめさんだぁぁ!?」」」」 赤まりさ以外、今までのドタバタの事も忘れ、 空を仰いで恐怖の叫びを上げるゆっくり一家。 「ゆっ!?やめてね!?あめさんはゆっくりできないよ!!」 「あめさんは、ゆっくりふらないでね!ふらないでね! かわいいれいむがゆっくりできないよ! どぉぉじで、あめざんふるのぉぉぉぉ!?」 「やめちぇね!れーみゅとけちゃくないよ!?」 「おちびちゃんたち!! ゆっくりしないで、おかあさんのおくちにかくれてね! いそいでおうちかえるよ!!」 母れいむが自力で動けない赤まりさを真っ先に口に咥えると、 他の子ゆっくり達を急かす。 「ゆぇ~ん!!みゃみゃ~!!」 「ゆっぐ!ゆっぐ!ゆっぐりできないんだじぇぇ!!」 わらわらと母れいむの口の中に逃げ込む子ゆっくり達。 全員が入ったのを確認すると、母れいむはボヨン!ボヨン!と 全速力で降りしきる雨の中を駆け出した。 隠れていた木の陰から出てきて、 母れいむの背中に向かってヒラヒラと手を振る、虐待お兄さん。 「あぶねぇ、あぶねぇ。気づかれるとは迂闊だった・・・ ま、間一髪セーフだな。これで"メッキ"が剥がれるだろう。 ああ・・・赤ゆ潰してぇなぁ・・・」 -------------------------------- どうしよう、どうしよう、どうしよう。 なんとかして、怖い人間のことをお母さん達に伝えなきゃ。 何と言ったら、わかってもらえるんだろうか。 とにかく、お家についたら、ゆっくり話を聞いてもらうしかない。 母れいむの口の中で、赤まりさはそれだけを考えていた。 本当は、今すぐにでも、傍にいるお姉ちゃん達に聞いてもらいたかったが、 当の姉ゆっくり達は、いまだ雨への恐怖にパニック状態。 赤ゆっくりの目から見ても、 まともに話を聞いてもらえる状態ではないことは一目瞭然だった。 「ゆひぃぃ・・・・ゆひぃぃ・・・・・・ お、おうちについたよ!おちびちゃんたち!ゆっくりでてきてね!」 頭の饅頭皮がふやけ、溶けかかりながらも、 辛うじて、巣に逃げ込むことができた母れいむ。 あんぐりと口を開けて、子ゆっくり達を外に出す。 幸いにして、母れいむの唾液で溶けることもなく、皆無事だったようだ。 「おちびちゃんもでてね!」 ベッ!と赤まりさを吐き出す。 「ゆっ!おかあしゃん!おにぇちゃん! まりしゃのおはなし、ゆっきゅりきいちぇね!!」 姉妹達と安堵の言葉を交わすのも惜しく、話し始めようとする赤まりさ。 だが、何か様子がおかしい。 自分を見るお姉ちゃん達の表情、そして、お母さんの表情。 何だろう。 どこかで見たことがある表情だ。 乏しい餡子脳をフル回転させて記憶を辿る。 そして、一つの記憶に辿り着く。 それと同時 「「「「「「「ゆぎゃあぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!? おばげだぁぁぁぁ!?!?!?!?」」」」」」」 それは恐怖の表情。 赤まりさの本当の親と本当の妹が、赤まりさに向けた最後の表情、 そのものだったのだ。 つづく 選択肢 投票 しあわせー! (10) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る